「明日から楽しみにしていて」ー西武山川が“有言実行”の6号3ラン
打撃フォームは開幕から50通り以上 前日にきっかけつかむ
■西武 11-3 オリックス(14日・メットライフ)
西武・山川穂高内野手が14日のオリックス戦(メットライフ)で6号3ランを放ち、主砲の役割を果たした。
今季初の満員御礼だった。3万人がつめかけた本拠地に「どすこーい!」と大きな声がとどろいた。5回に3番・外崎の1点タイムリーで勝ち越した直後。無死一、二塁の場面で打席に立った山川はオリックス先発・松葉のストレートを捉えレフトスタンド上段に運んだ。ベンチ前でナインとハイタッチを交わすと、スタンドに向かってお決まりの「どすこい」ポーズを披露。山川と一緒に生還した秋山、外崎も同じようにポーズを取り、スタンドを沸かせた。
13日の試合では3回の第2打席でオリックス先発・東明のフォークを捉え、左翼線へ運ぶ適時二塁打を放っていた。その日の試合後に室内練習場で打ち込んだ山川は「今日の打席は違った、すごくよかった。明日から、楽しみにしていてください」と充実の表情を浮かべ、本塁打を宣言していた。
きっかけをつかんだ手応えが確かにあった。3月6日のソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)で左肘に死球を受けた影響でその後も欠場が続き、調整の遅れを感じていた。山川は「オープン戦は色々試しながらできるでしょう。(それができなかったから)開幕してから、ちょっと試しながらやっていた」と言う。
シーズンが開幕してからも微細なフォームの変化を毎打席で試し、50通り以上の“試作”フォームをチェックしてきた。“試作”でも5本塁打と数字を残していたが、13日の試合の中で“正解”に手が届きかけていた。辻監督も「インコースの見逃し方もいいし、ファウルの具合もいい。内野フライも、一つ間違えればホームランだっただろう。きのう(13日)にレフト線にヒットを打ったあたりから、しっかり壁ができていたね。グッと前で打っていた」と山川の状態の良さについて語った。
山川はこの日の本塁打について「今日のホームランはよかった」と納得顔を見せたが、一方で「でも、まだ14試合しかしていない。あと129試合ある」と気を引き締めた。豪快に見えて、精密機械のように繊細。“探究する4番”が、今年もチームを勝利に導く。
(安藤かなみ / Kanami Ando)