メッツ・松坂が田中将大へエール 「我慢して休んだ方がいい」
「投げていく中で自分で克服するしかない」
メッツの松坂大輔投手(33)が、右肘靭帯の部分断裂のため、故障者リスト(DL)入りしたヤンキース・田中将大投手(25)へ、自分自身の経験談をもとに激励のコメントを寄せた。
12日、松坂はニューヨークでのマーリンズ戦に先発し、6回4失点だった。質問やコメントは、渦中の田中について向けられた。
松坂も田中同様、高校時代から球数を投げ、日本のプロ野球・西武に入団。日米で注目を集める投手となり、2007年からメジャーリーグに活躍の場を移した。2011年に右肘の靭帯を痛め、診断の結果、トミー・ジョン手術を受けることになった。
「投げられるんでしょうけど、無理せずにしっかり休んで、僕のように後に引きずらないような形をとってほしいです。まだまだ先は長いので。我慢して、苦しいでしょうけど休んでもらいたいと思います」
松坂は同年の6月に手術を受けたが、右肘の痛みはその前からあり、それでもチームのことも考え、我慢しながらピッチングをしていたことがあった。その結果、5回を持たずに違和感で降板するなど、マウンドを降りることもあった。
メジャーに来た1年目はわからないことも多い。いろんな意見を耳にする。何を信じていいかもわからない。そんな心境を松坂は痛いほどわかっていた。
「投げていく中で自分で克服するしかない。不安があるうちは(投げるのは)やめた方がいい。自分は痛みを我慢できたので投げたけど、経験から言うと良いことではない。痛みを感じて休みをとったのは懸命な判断と思う。周りからいろいろ言われて大変でしょうけど、我慢して休んだ方がいいと思います」
田中がトミー・ジョン手術をすることを決めたわけではない。だが、松坂は同世代の投手たちが右ひじを痛め、経験談をもとにしたアドバイスを求められた時は親身になって、相談に乗ってきた。この場でけがについて多くを語ることはできない。ただ、同じアメリカで戦う日本人投手として、田中のことを心配し、今後も推移を見守っていくことだろう。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count