SB武田、8回に突如崩れるも7勝目 工藤監督「勝負しないと得るものはない」
7回2/3を5失点、突然の乱調には「彼の精神的な部分だと感じた」
ソフトバンクの先発・武田翔太投手は、12日の巨人戦で7回2/3を投げて5失点も7勝目。7回までは2本のソロ弾による2失点だけだったが、8回に突如乱れ、3連打で無死満塁のピンチを背負った。
代打・亀井善行は三振に仕留めたが、そこからタイムリー、打点付きの内野ゴロ、四球、押し出し四球で一気に3失点。なおも2死満塁となったところで、マウンドを森福允彦に譲った。一発出れば逆転という場面で阿部慎之介と対峙した森福は、阿部を1球で内野ゴロに打ち取り、武田を救った。
工藤監督は武田の突然の乱調について「彼の精神的な部分だと感じた」という。特に坂本勇人、長野義久に与えた連続四球には厳しい言葉を投げかけた。
「見た感じのまんまだと『今日は勝てるかな』という気持ちがどこかにあったと思う。打たれても勝負して、その中で自分に足りないものを見つけていかないと。勝負しないと得るものはない。開き直ってじゃないけど、思い切った勝負をすることが彼のプラスになる。そういうところを乗り越えていかないと完投もできない。乗り越えることが、球界を代表するピッチャー、チームのエースになるには不可欠なこと」
チームは7-5で勝利し巨人を3タテ。次代のエースと期待するからこそ、武田に求めるものは大きい。今回の反省を、武田は甲子園での登板でどう生かすのか。1週間後に出される“答え”に注目したい。
【了】
藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura