菊池雄星、亡き父に捧ぐ初勝利「最高の父親でしたし、いい報告ができる」
「本当に苦しい投球」毎回走者を背負うも5回4失点と粘る
■マリナーズ 6-5 エンゼルス(日本時間21日・アナハイム)
マリナーズの菊池雄星投手が、待望のメジャー初勝利を掴んだ。20日(日本時間21日)、敵地でのエンゼルス戦に先発し、5回10安打4失点。毎回、走者を背負いながら粘りの投球でリードを守り、バトンを託されたリリーフ陣も冷や汗をかきながら逃げ切った。待望の瞬間を迎えた菊池は「いい報告ができると思います」と、シーズン開幕直後に亡くなった父・雄治さんへの思いを馳せた。
初回にハニガーの先頭打者本塁打、ボーゲルバックの右翼ポール際への8号ソロで2点の援護をもらい、4回にはゴードンが左翼線への2点適時二塁打を放って2点を加点。5回にはエンカーナシオンがソロと、5回までに打線が5点を奪って援護をもらった。
「ホッとしているというところが1番ですかね。今日は本当に苦しいピッチングで、初回からなかなかアウト取るのも難しかったです」と振り返ったこの日の投球。3回にプホルスに左翼線への適時二塁打、4回にはコザートの犠飛を許した。3点リードの5回にはルクロイ、グッドウィンの適時打で2点を失い、1点差まで詰め寄られたが、必死にリードを守った。
9回にスワーザックがプホルスにソロを浴びて1点差に詰め寄られたが、辛くも逃げ切ったマリナーズ。菊池にもメジャー6試合目の先発で初勝利の瞬間が訪れた。アスレチックスとの開幕シリーズを終えた3月31日に父・雄治さんを亡くしていた菊池。日本には戻らず、そのまま戦い続けることを選択。ついに亡き父に捧げるメジャー初白星を手にした。
「早く勝って報告したいという気持ちできましたけど、こうやって苦しんだ分喜びも大きいですし、シーズンはまだまだ長いので、シーズントータルで活躍する姿を報告したいなと思います。1番アメリカに来ることを喜んでくれた父親でしたし、直接、お墓にも行けてない中で、まだ会えるんじゃないかという気持ちがどこかにあったりして……。まだ実感もないのが正直なところ。最高の父親でしたし、いい報告ができると思います」と父への思いを語り、初勝利の味と父との思い出を噛み締めていた。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)