日ハム、元オーナーの大社氏を胴上げ 栗山監督「ひたすら感謝しかない」

試合前に大社啓二氏(中央)の退任セレモニーが行われた【写真:石川加奈子】
試合前に大社啓二氏(中央)の退任セレモニーが行われた【写真:石川加奈子】

23日の楽天戦前、観客のいない本拠地で8度宙に舞う

 日本ハムの元オーナーで、球団取締役を3月22日付で退任した大社啓二氏が23日、観客のいない札幌ドームで8度宙に舞った。楽天戦に向けた練習が始まる前の午後1時30分。選手とスタッフがマウンドに付近に集まると、大型ビジョンにはこれまでの功績が流れる。背番号101のユニホームを贈られ、胴上げされた。

 日本ハムの創業者で日本ハムファイターズ初代オーナーの故大社義規氏を父に持ち、球団の移転を検討し始めた時は本社の代表取締役社長だった。02年に牛肉偽装事件で社長を引責辞任した後も、球団の北海道移転に尽力。05年に球団オーナーとなり、12年からオーナー代行、16年からは非常勤の取締役を務めた。球団の目指す方向を示し続け、人気と実力を兼ね備えた球団に育てた。

 25年ぶりリーグ制覇と44年ぶりの日本一になった06年には、創業オーナーの遺影を胸に抱きながら胴上げされた。「あの時は写真が顔に当たるんじゃないかとドキドキしていた(笑い)。今回は気持ちが良かったよ」と大社元オーナーは穏やかな笑みを浮かべ、心のこもった“セレモニー”に感謝した。

 栗山英樹監督は「(大社元オーナーから)創業者の思いなどもよく聞いていた。皆さんの思いがあって、今我々は野球をやらせてもらっている。ひたすら感謝しかない。プロ野球のチームがどうあるべきか、何をしなきゃいけないのか教えていただいた中で、それをしっかりと伝えていく責任がある」と決意を新たにしていた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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