広島・野村がリーグ最多8勝目 前田抜けたエースの座に近づく活躍
悪天候も6回無失点の力投に「100点満点の投球」と指揮官は絶賛
広島の野村祐輔が、16日の西武戦でリーグトップの8勝目を挙げた。試合前から雨が降り続く悪条件の中でのマウンドだったが、6回無失点の投球に「先発の最低限の仕事ができた」と笑顔を見せた。
足元はぬかるみ、冷たい雨が降り続く最悪の状況だったが、「何も感じないように、そうイメージして投げた」と、野村は冗談交じりに話した後、「地面が滑ることもあったが、そこを気にしていては試合にならない。バッターに向かっていく気持ちで投げられた」と言い切った。5回終了時には、グラウンド整備で長いインターバルがあったが、「外だと体が冷えてしまうので、ブルペンでずっとキャッチボールをやっていた」と、悪天候への対策も明かした。
初回から毎回のように得点圏に走者を置く苦しい投球だったが、得点は許さなかった。ピンチを迎えても「思い切っていくしかない。逃げる姿を見せるのが一番ダメ。本当に向かっていくだけ。その結果です」と強気の姿勢で乗り切った。
緒方監督は「前半で球数が多くなってしまったが、この天候なので仕方がない。その中で粘り強く投げた。6回をゼロだから、十分100点満点の投球です」と絶賛した。
交流戦は3勝0敗で、リーグトップの8勝目となったが、「個人成績については全く気にしていない。それよりも昨年、一昨年と仕事ができなかったので、悔しい思いがある」と話した野村。今季は前田健太の抜けたエースの座に、着実に近づく活躍を見せている。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo