元DeNA久保、メキシコで2敗目もチーム内の信頼揺るがず「毎試合投げて」
チームは今季初4連敗で南地区6位に転落
メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンに所属する元DeNAの久保康友投手が28日(日本時間29日)、敵地カンクンで行われたティグレス・デ・キンタナロー戦に先発し、6回7安打5失点で今季2敗目を喫した。試合は1-8でレオンが敗れ、今季初の4連敗。今季通算8勝13敗となり南地区6位に転落し、同8位の最下位とはわずか1ゲーム差となった。
エース久保でも連敗は止められなかった。0-0で迎えた3回1死一塁から9番打者に真ん中に甘く入ったカーブを左翼席に運ばれ、2点を先制されると、5回にも1死から8番打者に高めに浮いたカーブを捉えられ、左越えソロを献上。6回にも味方のまずい守備に足を引っ張られて2点を失い、無念の降板となった。
「今日はカーブが抜けてしまい、うまく投げられなかった。味方の援護を待ちたかったが、8、9番打者に打たれていてはいけないですね」
この日、奪った18のアウトのうち、三振は10。カーブが思うように操れない中、カットボール、チェンジアップ、スプリットを駆使し、三振の山を築いたが、打線の援護にも見放された。前日27日にはメジャー経験のある野手の呼びかけで練習前に選手だけでミーティングを行ったが、その甲斐もなく、古巣に復帰した今季初登板の元DeNAモスコーソが打たれて敗戦。そしてこの日、メキシコでは初めて中4日での登板となった久保にも勝利の女神は微笑まなかった。
これで久保は開幕から5試合に先発し、2勝2敗、防御率4.59。だが、投球回33回1/3、40奪三振はともにリーグトップだ。本来はゴロを打たせて取るタイプの投手だが、メキシコでは高地では空気抵抗が低地よりも少ないため外野フライの当たりが本塁打になることが多く、また低地でも日本より守備範囲の狭い野手陣に足を引っ張られるケースが多いため、確実にアウトを奪えるよう、メキシコでは三振を狙うスタイルに変更。地元紙でも三振を奪える投手として取り上げられるなど、現地に対応したスタイルで先発の役割を果たそうとしている。前回登板に続き、この日も敗れたが、チームメイトや首脳陣からは「毎試合、久保に投げてもらいたいくらいだ」と言われるなど、チーム内での信頼は変わらない。
次回先発予定は5月4日(同5日)に本拠地レオンで行われるヘネラレス・デ・ドゥランゴ戦。チームは中継ぎ陣が崩壊し、打線も湿りがちになってきているだけに、次の登板こそ勝利が欲しいところだ。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)