イチロー氏、本拠地に粋な演出で“凱旋” 試合中に場内に紹介されファン総立ち大歓声
バックスクリーンで“名場面集”、背番号51のイチロー氏はダグアウトで手を振って応える
■マリナーズ – カブス(日本時間2日・シアトル)
マリナーズの会長付特別補佐に就任し、同チームのインストラクターとして傘下のマイナー3Aタコマを含め選手指導の役割も果たすことになったイチロー氏が1日(日本時間2日)、本拠地T-モバイル・パークで引退後初めてファンに姿を見せた。試合前には打撃コーチを務めるなど“コーチ”初仕事をこなし、カブス戦の2回表終了後には場内アナウンスで紹介されて、大歓声に手を振って応えた。
イチロー氏は3月21日の東京ドームでのアスレチックス戦後に現役を引退。この日はカブス戦の試合前に初めて本拠地のフィールドに姿を現し、スタンドから声援を受けた。さらに、練習では打撃投手を務め、5ラウンド、約100球を投じフィールドでの初仕事を終えた。登板前にはカブスのダルビッシュ有投手と談笑。登板後には一塁側のベンチ横でファンのサインに応じた。
そして、試合中には感動的なシーンも準備されていた。イチロー氏はこの試合、背番号51のホームユニホームを着用して初回からベンチ入り。2回表が終了した現地時間午後4時25分、センター後方の大画面にイチロー氏の引退試合となった東京ドームでの勇姿が映し出され、ルーキーイヤーでの活躍、外野での好守備、好走塁などのダイジェストシーンが流れた。その後、一塁側のダグアウトにいるイチロー氏が画面に登場し、アナウンスで紹介されると、場内は大歓声に。イチロー氏はまずダグアウト後方のファンに向かって手を振り、その後、スタジアム全体にも手を振ってスタンディングオベーションに応えた。最後には大画面に再び笑顔のイチロー氏が映し出された。
2001年のア・リーグ新人王&MVP、10年連続200安打&ゴールドグラブ賞&オールスター出場、そして2004年のメジャー記録262安打など、マリナーズで数々の偉業を達成したイチロー氏。特別な思いを抱くシアトルは、この日は快晴。感動的な演出で本拠地のファンに引退を改めて“報告”する形となった。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)