パCS最終ステージ第4戦 土壇場に強いロッテが総力戦で挑む
後のないロッテ、第5戦の先発は松永
第3戦は楽天・美馬学(27)がロッテ相手に4安打の完封勝利を挙げ、アドバンテージを含め3勝1敗と日本シリーズ進出に王手をかけた。後がなくなったロッテは20日の第4戦の先発に右腕・唐川侑己(24)を起用する可能性もあったが、最終的に左腕の松永昂大(25)と発表した。
ロッテはこの松永から総力戦になることが予想される。松永は10月13日の西武とのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ第2戦(西武ドーム)で3回途中、5失点で降板。先発としての仕事ができなかった。その際、松永は「チャンスがあれば絶対に見返したい」と言い残し、グラウンドを去っている。ロッテ・伊東勤監督(51)はこの「やり返す」という強い気持ちと楽天との相性の良さを買って大事な試合に送り込む。
今季は先発とリリーフで楽天相手に11試合に登板し、防御率は0・55。主軸打者の銀次を6打数無安打、聖澤諒を8打数1安打に封じるなど、きっちりと得点源を抑えたことが失点の少なさにつながっている。マギーやジョーンズら大砲にもヒットは浴びても、ホームランは1本も打たれていない。両外国人選手だけでなく、楽天打線からの被本塁打は「0」だ。
目先の1勝がほしいロッテは短期決戦特有の継投策にも出てくるだろう。松永の後は唐川にリレーし、益田直也や内竜也といった勝ちパターンの投手を送り込む。そうやって失点を防ぎ、僅差の展開に持ち込んで逃げ切るしかない。
ロッテは第4戦で勝利することができても、楽天には5戦目以降、絶対的エースの田中将大が控えており、そう簡単に劣勢は覆らない。だが、土壇場に強いのがロッテの特徴でもあり、元祖・下剋上チームとして粘りの野球を見せてくれることに期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count