菊池雄星、敵地で田中将大と交流「本当に優しい方」試合前にはブルペンで38球
ボールには手応え「本来の自分の持っているボールに近づいて来ています」
マリナーズの菊池雄星投手が6日(日本時間7日)、敵地でのヤンキース戦前にブルぺン入りし、変化球を交えて38球を投じた。ボールカウントや状況を想定し、実戦を意識した投球を行った。
前回登板となった3日のインディアンス戦では、日本時代にも使ったことがなかったと言う右打者の外角へ入ってくるスライダー(バックドア)を使うなど、新たな試みも見せて7回1失点10奪三振の快投を演じた。この日は打席に立ったデービス投手コーチを相手に、その感触を確かめるように数球を投じた。幅を広げた球を状況によっては決め球に使う考えもある。
「決着は(右打者の)バックフットの膝元で決めたいとこですけどね。そこが1番リスクが少ないので。なかなかそこを意識して振ってくれないというとこであれば、バックドアでというところも前回は有効だなというふうには感じました」
また、春のキャンプから取り組んできたチェンジアップは親交を深めるインディアンスの右腕バウアーからの助言を得て精度が高まり「これからより必要になってくるのかなと思います」と自信をのぞかせている。
3日の登板では軸球の直球が走り、今季自己最速の97マイル(約155.2キロ)を計測。曲がりの大きい三振を奪うスライダーの精度もさらに向上しており「やっと本来の自分の持っているボールに近づいて来ていますので。しっかりこの状態を維持して、さらにレベルアップさせていきたいなと思ってます」と語る。
この日のブルペン入り前には、フィールド上でヤンキースの田中と約2分間、談笑した。「1度ご挨拶したぐらいであまり面識がなかったんですけど、本当優しい方で、いつでもなにかあったら連絡してねってということを言ってくださったんで、すごく嬉しかったですね」。
西武時代の2016年のオフにはヤンキースタジアムでシーズン終盤戦を観戦していた。「テレビで昔から見ていた球場ですし伝統あるすごい球団なので、楽しみです、今日明日は」。メジャーへの憧れを12年間温め続けた左腕は、登板前の2試合は相手打者の観察を行うだけでなく、同スタジアムの独特の雰囲気を自軍ベンチから楽しむつもりだ。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)