「地べたを這いつくばってでも…」元巨人投手→議員になった男からの強烈エール
林氏がずっと気になっていた山本氏のその後 「どういう流れで議員になったんだろう、と」
元巨人、日本ハム、DeNAでプレーした左腕・林昌範氏がプロ野球選手のセカンドキャリアに着目。元チームメートで現在、横須賀市議会議員になった山本賢寿(けんじゅ)さんを訪ねた。現在38歳になった山本議員はプロ在籍2年、1軍登板はなかったが、2015年に無所属で当選。議員として2期目に入るなど第2の人生で奮闘している。
賢寿さんは私より2歳年上。寮生活では仲良くさせていただきました。その先輩が引退後、議員さんになったと聞いたので、ぜひ会ってみたかった。
私も引退後は、船橋中央自動車学校で勤務しています。地元に根付いた経営をするため、日々、勉強しながら働いているので、賢寿さんがどのように市民の皆さんと向き合っているのか聞いてみたいと思った。もちろん、なんでプロ野球選手から議員になったのかも……。
議会のある横須賀市役所に到着すると、当時と変わらない姿で出迎えてくれた。巨人時代の思い出話に花が咲いたが、知らなかった苦悩も聞いた。
山本「久しぶり。ようこそ横須賀へ。会うのは何年ぶりだろうね。風呂場でよく話をしたよね。林は鮮烈デビュー(19歳で1軍先発)して、当時寮で一緒だった真田(裕貴)や條辺と『すごいな!アイツ、行ったわー』って、そんな話をしていたのを思い出す。懐かしい。俺は入団して肩のけがをしてしまったから、プロ野球はつらい思い出しかないかな。もう悔しさしかないよ……」
真田は私と同学年のドラフト1位。今は巨人のスコアラーとしてがんばっている。條辺さんは埼玉でうどん店を営んでいる。私も引退し、賢寿さんは議員。みんな、それぞれの道を歩んでいる。
当時のことを「すごいな!」と言っていただけたが、今の賢寿さんの仕事の方が私にとってはびっくりだし、すごいと思う。2年で現役引退後は野球を諦めきれず、オーストラリアで現役続行を目指すも、肩を痛めて断念したそうです。
山本「地元(横須賀)の期待を背負って巨人に行ったもんだから、なんかすごく居づらかったんだよね。地元に居れば、必ずそういう(現役を終えた)話になるじゃない? だから、思い切って海外に。でも、痛くて投げられなかったんだ」
帰国後は一般企業などで勤務。野球スクールも立ち上げて、子供たちを指導していたそうです。私がずっと気になっていたのは「どういう流れで議員になったんだろう」、と。
山本「縁があったんだよね。地元で選挙の手伝いをしたり、その様子を見てきて、興味が湧いた。フツフツとね」
賢寿さんも子供を持つ親となったこと、地元の子供たちに野球を教える中で、もっと街をよくしたい、と自分が行政へ声を届けようとか考えが思い浮かぶようになったのだと思う。2015年に無所属で立候補して当選。4年間の仕事の成果が出て、先日の選挙でも当選し、2期目に入った。本当にすごいと思う。
当選できないかも……とか不安はないんですか?と思わず聞いてみた。
山本「自信がないと選挙になんて、出られないでしょう。まぁ、勝負はふたを開けてみないとわからないけど、野球をやって培ってきた力もある。小さいころから鍛えられてきたし、とにかく前向きに自信持って活動していたかな」
でも、実際、議員の方って何をしているかがわからない部分もある。