田中将大、6失点もチームはサヨナラ勝利 指揮官は「ベストではなかった」
本人は「迷惑をかけた」と反省、ジラルディ監督は力投に一定評価「逆転につながった」
ヤンキースの田中将大投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのレンジャーズ戦に先発し、6回8安打7奪三振1四球6失点(自責6)と苦しんだものの、勝敗はつかなかった。4点のリードを許したまま降板したが、チームが4点を追う9回に一挙6点を挙げて、9-7でサヨナラ勝ち。田中の黒星は消えた。防御率は3.35。今季最多タイとなる110球の力投が、最後に報われた。
1-1で迎えた3回、田中は9番・チリノス、1番・秋信守に連打を許すと、デズモンドにはフルカウントから四球を与えて満塁のピンチを招き、マザラに走者一掃の二塁打を浴びた。さらに、1死三塁となってからフィルダーに一塁手のグラブを弾く適時打を打たれ、この回4失点。試合後、ジョー・ジラルディ監督は「3回はボールが高かった。失投が痛かったね」と振り返った。
田中も米メディアの取材に対して、「チリノス、秋信守に簡単にランナー出してしまったことが大量失点につながったと思いますし、あそこが一番自分の中で悔やまれることではありますね」と答えた。マザラにはあらゆる球種を使って攻めながら、フルカウントから甘く入ったスライダーを右中間に運ばれて3点二塁打とされただけに、「厳しいカウントになってもしっかり投げ切らないといけない」と反省した。
もっとも、指揮官は「彼にとってベストの登板ではなかったが、試合を崩さなかったことが(9回の)逆転勝利につながった」と力投には一定の評価を与えた。本人も「3回以外は全体的にはそこまで悪くなかったと思うので、3回のイニングの投球っていうのは自分の中で大きな怪我にしてしまったので、あそこを最少失点に食い止められればよかったと思います」と話した。
田中は「もちろんチームが勝ったことはうれしいですけど、やっぱりこういう登板で迷惑かけたと思っているので、気まずさはあります」と悔しげな表情を浮かべたが、 劇的勝利は間違いなく救いとなる。ジラルディ監督は「打者一人一人がつないで、良く逆転した。選手たちが興奮するのは良いこと。これで明日から勢いに乗れたらいい」と手応えを示した。次回登板ではエースらしい投球でチームを勝利に導きたいところだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count