菊池雄星の“松ヤニ疑惑”、NYメディアの見解は問題なし?「投手は色々なものを使う」

2勝目を挙げたマリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】
2勝目を挙げたマリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

「ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズも同じことをします」

■マリナーズ 10-1 ヤンキース(日本時間9日・ニューヨーク)

 マリナーズ菊池雄星投手に、ある“疑惑”が向けられている。8日(日本時間9日)、敵地ヤンキース戦に先発した左腕。6回1死までヤンキース打線を無安打に封じる快投を演じ、メジャー最長となる7回2/3を投げて3安打1失点の好投で今季2勝目をマークした。

 初回、先頭のルメイヒューに四球を与えてから6回1死まで16者連続アウトに仕留める圧巻のピッチングを見せた菊池。2回から4イニング連続で3者凡退に仕留め、ヤンキース打線に付け入る隙を与えなかった。6回1死から初安打を含む2本の安打と犠飛で1点を失ったものの、失点はこれだけ。メジャー最長となる8回途中まで投げて、7回2/3、3安打1失点の好投で2勝目をあげた。

 ほぼ完璧な投球を見せた菊池だったが、試合後に“疑惑”が浮上した。菊池が帽子のツバに滑り止めの“異物”を使用しているのではないか、というのだ。ヤンキースのアーロン・ブーン監督も試合後の会見で「試合終盤で気づいた。そういう話がされているのが、私の耳に入った。8回頃に知らされた。後で確認してみる」と語った。

 これに対し、ヤンキースの地元ニューヨークで中継するテレビ局「YESネットワーク」が、公式ツイッターで番組の動画を公開。その中で、同局でアナリストを務めるジャック・カリー氏は、MLBで投手が様々な策を講じて、ボールが滑らなくなるようにしていると語っている。

 日本のボールよりも乾燥し、滑りやすいとされるMLB球。菊池の“疑惑”について、カリー氏は番組内で「ボールの握りがよりしっくりくるように、投手は色々なものを使います」と指摘。さらに「ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズも同じことをします。全30球団の名前を読み上げるべきでしょうか? 時には日焼けローションだったり、時には松ヤニだったりします。菊池がヤンキースを抑えられた要因は、それではありません」とし、仮に菊池が何らかの策を講じていたとしても、それは珍しくないと語っている。

 番組MCを務めるボブ・ロレンズ氏もこれに続く。「ジャックも話していましたが、日本では、ボールが自然の状態で滑りにくくなっています。日本のボールはそのように作られています。それとは異なるのがメジャーリーグです」と、日米のボールの質感の違いを紹介。カリー氏も続けて「新しい野球のボールに適応することに関してですが、日本からアメリカに活躍の場を移した他の投手を振り返ってみると、ユウ・ダルビッシュはボールを握ったときの(しっくりくる)感覚が掴めないことに不満を口にしていました」と語った。

 MLBの世界で、ボールのグリップ力を高めるために投手は様々な方策を取る。かつて、WBCである日本人投手は帽子にジュースを染み込ませていたこともあると語っていた。「今回の件を問題にするのかどうかは、ヤンキース次第です。ツイッター上で調査している方たちよりも、ヤンキースはより鮮明な映像を持っていると思います。そして、彼らは文句を言いませんでした」とカリー氏。メジャーの世界では普通のことであり、さほど問題視していないようだった。

(Full-Count編集部)

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