「いい一日だったと思えるように」―ハム谷口、大けが乗り越え965日ぶり安打
2016年9月18日以来のヒット、栗山監督も目を細める「気持ちが伝わってきた」
■日本ハム 8-0 西武(11日・札幌ドーム)
日本ハムの谷口雄也外野手が11日、本拠地西武戦に「6番・左翼」で3季ぶりに先発出場。2017年3月の右膝前十字じん帯手術を乗り越え、16年9月18日のロッテ戦以来となる965日ぶりの安打で勝利に貢献した。
前日10日に1軍昇格して巡ってきたチャンス。「めちゃくちゃ緊張しました」と最初はスタメン復帰のうれしさよりも緊張感が勝っていた。
初回に左飛を処理して少し落ち着きを取り戻す。その裏、2死満塁の絶好機で回ってきた第1打席は、左邪飛に倒れた。これで闘争心に火がついた。
「打てなくて悔して。次は何とか打ってやろうと思って」
復活を告げる安打が飛び出したのは3回1死一、二塁で迎えた第2打席。西武の先発・今井の低め直球を左前へ弾き返す。一塁を回る際には、右手でガッツポーズして、雄叫びを上げた。試合中に同期入団の西川遥輝外野手から965日ぶりの安打と知らされ「長かったな」と感慨を新たにした。
今季は開幕1軍入りしながら出番のないまま4月1日に出場選手登録を抹消された。その後イースタン・リーグで14試合に出場し、打率.316、2本塁打と調子は上向きだった。「良い状態のときに(1軍に)上げていただいたので、結果を残すことにこだわりたいと思っていました」という言葉通り、続く4回の第3打席には相手投手のグラブを弾く内野安打を放ち、4打数2安打の結果を出した。
復活劇を見届けた栗山監督もうれしそうだった。「どういう勝負をするのか見ていたけれど、これが最後というくらいの覚悟、自分の全てを吐き出すんだという気持ちが伝わってきた」と目を細めた。
今季から背番号4を背負う谷口は「再スタートというのかな。これがいい一日だったと思えるように、この先どんどん結果を出すように、自分にハッパをかけたいなと思います」と力強く再出発の一歩を踏み出した。