イチロー氏との対戦は「誰もが極めて苦痛」 デビュー戦で対戦した左腕の記憶

オリバー・ペレスが振り返った2002年6月16日のパドレス戦でのイチロー氏【写真:Getty Images】
オリバー・ペレスが振り返った2002年6月16日のパドレス戦でのイチロー氏【写真:Getty Images】

2002年のデビュー戦で対戦した最初の打者がイチロー氏「投手なら誰もが…」

 どんな選手にとっても、デビュー戦は特別なものだろう。キャリアの1歩目として、できれば良いスタートを切りたいところ。だが、いきなり手強い相手と対戦することもある。米メディアでは、デビュー戦で現在マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏に挑んだ左腕について取り上げている。

 米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が「ドキドキ、嘔吐、ユニフォームの着間違え:MLBでのデビュー戦チェックリスト」とのタイトルで掲載した特集記事。その中で、イチロー氏とデビュー戦で対戦した投手として登場するのが、オリバー・ペレスだ。今年でメジャー17年目を迎える37歳のベテラン左腕。現在は救援として活躍しているが、デビュー当初は先発投手だった。

 当時パドレスに所属していたペレスがデビューしたのは、2002年6月16日の本拠地マリナーズ戦。当時20歳だった。記事では「一日中ドキドキ」という小見出しで振り返っている。親戚を含む約3万人の大観衆が見守る中、前年にメジャー史上最高の116勝を挙げたマリナーズと対戦したペレス。最初に迎えたバッターが、不動のリードオフマンだったイチロー氏だった。

 イチロー氏は、前年にメジャー史上2人目の新人王&MVPのダブル受賞という快挙を達成。米球界で最も厄介な先頭打者とも言える存在だった。ペレスは記事の中で「投手なら誰もが極めて苦痛を感じるマッチアップ」だったと回顧。当時の心境について「イチローと対戦しなきゃいけくてね。あの時は『うわー』って感じさ」と語っている。

 だが、結果は空振り三振。これで波に乗ったのか、ペレスはこの試合で5回4安打2失点7奪三振4四球と好投。「(メジャーデビューするときは)一日中不安を感じるものだよ。2日目になって、(やっと)落ち着くものだよね」と振り返っているものの、デビュー戦勝利を飾った。

 もっとも、イチロー氏にはその後、第2打席、第3打席とレフト前ヒットを浴びた。イチロー氏はこの試合、その後もヒットを放ち5打数3安打。試合後の打率は.375だった。なお、ペレスはその後もイチロー氏と対戦を重ね、キャリア通算では14打数6安打の打率.429と打ち込まれている。

 特集ではこの他にも、クラブハウスからグランドに向かう時に同僚から「違うユニフォームを着ているぞ」と教えられたという当時パイレーツのジョーダン・ラプロー外野手(現インディアンス)、試合前にトイレで嘔吐したというマイク・クレビンジャー投手(インディアンス)らが登場。やはり、デビュー戦というのは特別なもののようだ。

(Full-Count編集部)

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