実家が神社のDeNAドラ2熊原がプロ初勝利 初お立ち台で「幸せだと実感」
5回2死一、二塁でヤクルト山田斬り、ウイニングボールは「両親か、お姉ちゃんに」
DeNAのドラフト2位ルーキー・熊原健人投手(仙台大)が、20日のヤクルト戦(神宮)で5回2失点。味方打線の援護もあって、うれしいプロ初勝利になった。
1点リードの5回。自らの四球などでピンチを招いた。2死一、二塁で打席に山田を迎えた。1球1球、魂を込めて投球。投げるたびに雄叫びを上げて気迫を見せた。変化球で追い込み、フルカウントからスライダーで空振り三振にきった。
6回以降を5人のリリーフが無失点リレー。筒香の2発、エリアンの3点適時打などで終盤に得点し、最後はベンチで危なげなく勝利の瞬間を見届けた。ラミレス監督と喜びの握手を交わし、ヒーローインタビューを受けた。
「ひと安心というのが一番最初に思ったことです。ジョー(高城)のリードのおかげです」と女房役に感謝した。手にしたウイニングボールは「両親か、今日はお姉ちゃんが来ているので渡したいと思います」と声を張り上げた。
家族へ感謝の1勝となった。プロ入りが決まり、入寮する前には千葉県内の姉の自宅に寝泊まりして、練習を積んだ。実家は宮城県内の神社。大学時代も神社の清掃などを手伝うこともあった。もし、プロ野球選手になっていなかったら、神社を継いで、神主になる道も選択肢にあった。家族は背中を押してくれた。
僅差の展開もあっという間に点差が開き、思わず「横浜DeNAベイスターズはすごいチームだなと思いました」と目を丸くした。「プロ野球という最高の舞台で、こうして野球しているのは幸せだと実感しました。後半戦もローテに入って優勝目指して自分が力になれるように頑張っていきたいです」とファンに向けても感謝の思いを伝えた。きっと家族にもその言葉は届いたに違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count