広島新井、ミス帳消しの殊勲打 「ずっとクソッと思って、腹が立っていた」
緒方監督から「リラックしていけ」で冷静に
31日のDeNA戦で、広島の新井貴浩が逆転勝利につながる殊勲打を放った。2-4と2点ビハインドで迎えた7回、1死一、三塁の場面で打席に入ると、左中間を抜く2点タイムリー二塁打で、試合を振り出しに戻した。その後、相手失策で逆転のホームを踏んだ新井は、「一昨日、昨日とやられていたので、みんなの意地、それが勝ちにつながった」と、興奮気味に話した。
5回の2死二、三塁の場面ではセカンドゴロで走者を還せず、6回の守備ではタイムリーエラーで、相手に追加点を与えていた。新井は「自分のつまらないミスで追加点を与えていたし、ずっとクソッと思って、腹が立っていた」と、悔しさを?み締めるように話した。同点打の前には、「監督にリラックスしていけ、と言われた。それで冷静にならなければと思った」と、苛立ちを隠せなかった自身を諌めた指揮官に感謝した。
チームは、今季初の3連敗のピンチをまたも回避した。「みんな一戦一戦という気持ちでやっている。その中でも、今日は全員の意地が勝利につながったと思う」と、チーム一丸を強調した。
チームを引っ張る存在、と報道陣に指摘された新井は、「僕が引っ張っているのではなく、若い選手が先頭に立って、僕はそれについて行っているだけ」と、若手の成長を感じているようだった。
7月の月間成績は、打率.443、7本塁打、24打点という活躍で、月間MVPの有力候補とされている新井。悲願のリーグ優勝へ、誰よりも必死なベテランが、後半戦も主役になることは間違いなさそうだ。
【了】
大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo