日ハム西川、勝利を呼ぶ気迫のヘッスラ「中田さんから『せこい』って…」
セーフティーバントでスタンドどよめく内野安打「何とかして出たかった」
■日本ハム 5-4 巨人(交流戦・14日・札幌ドーム)
日本ハムの西川遥輝外野手が14日、自慢の快足で巨人撃破に貢献した。1点を追う7回、先頭で打席に立つと、カウント2-0からセーフティーバントを試みる。投前に転がる間に、快足を飛ばして一塁へヘッドスライディング。スマートなプレースタイルの西川が見せた泥臭い内野安打にスタンドがどよめき、逆転の期待が一気にふくらんだ。
「何とか援護したいと思った。セーフティーは思いつき。後で中田さんから『せこい』って言われたけれど、何とかして出たかった」と粘り強く投げ続けていた先発の有原航平投手を助けたい一心だった。
2死後、打席に中田翔内野手を迎えた場面では二盗を決めた。「もうちょっと早くできたら良かったけれど、(相手投手の高木は)クイックを変えていたし、絶対アウトになったらいけない場面。結果的にいいタイミングになった」と中田の左前打で同点のホームを踏んだ。直後に王柏融外野手の勝ち越し2ランが飛び出し、この回逆転に成功した。
反射的に実行した一塁へのヘッドスライディングが試合の流れを大きく変えたが、試合後に西川は「もう2度としないです」と苦笑い。「大田(泰示)さんみたいにきれいに滑ることができないし、痛いし」と照れくさそうに語った。
守備でも快足でチームを救った。初回無死一塁で巨人の坂本が放った中堅への大飛球に追いつき、フェンス際でジャンプ一番好捕した。坂本が3回に放ったフェンス際の左飛は王柏融外野手が押さえ、5回の右翼への大飛球は大田がフェンスに激突しながらジャンプして捕球。西川は「坂本さんは札幌ドームの厳しさを味わったんじゃないですか。(東京ドームなら)3本ヒットで、どれかはホームランでしょ」とニヤリと笑った。
本拠地のアドバンテージを存分に生かした痛快な逆転勝利。「ピッチャーとバッターが噛み合えば、勝てる。こういう試合がベスト」と西川はうなずいた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)