侍ジャパンU-15代表、地元開催のW杯決勝でキューバに敗北、初の世界一逃す

終盤、粘り見せるも力尽きる

 7日に行われた「第3回 WBSC U-15 ベースボールワールドカップ in いわき」の決勝戦(いわきグリーンスタジアム)。日本は世界一をかけてキューバとの決戦に挑んだが、4-9で敗れ、初の世界一はならなかった。キューバは前回大会に続き2連覇となった。

 予選リーグの対戦ではキューバに4-0と勝利していた日本。この日の先発は、ここまで2試合を投げ、好投していた左腕・及川雅貴だった。

 初回。1番・メサにカウント2-2から131キロの直球をセンターに運ばれたが、1ストライクを投じてから一塁けん制を入れ、挟殺プレーでアウトを奪った。しかし、リズムに乗り切れない。2番・パルマをセカンドゴロに打ち取ったが、3番・チャペジに中安を許し、再び走者を背負った。それでも、4番・ヌニェスの痛烈な当たりにセカンド・田口夢人がボールをこぼしながらも、落ち着いて一塁に送球し、アウトを奪った。

 その裏、日本は1番・近藤大樹が死球で出塁。2番・稲生賢二はサードゴロに打ち取られ、二塁封殺となったが、3番・嘉手苅将太が中安を放ち、1死一、三塁と先制のチャンスを作った。しかし、4番・小山翔暉が二ゴロ併殺となり、得点には至らなかった。

 バックに助けられながら初回をしのいだ及川だったが、2回表、試練が襲いかかる。5番・コボスに及川の足元を抜けるセンター前ヒットを打たれると、さらに6番・ベタンコールにストレートの四球を与え、無死一、二塁。7番・カスティージョへのカウント2-2からの5球目でダブルスチールを決められると、カスティージョには6球目のストレートをはじき返された。打球は前進守備の三遊間を抜け、三走・コボスがホームイン。先制を許した。

 なおもキューバの攻撃は続く。8番・チャビアノの打球は大きく弾み、サード内野安打。満塁とされ、9番・オタメンディがセンターへ犠飛を打って2点目。それぞれ進塁しており、1死二、三塁。1番・メサのセカンドゴロで三塁走者が突っ込み、本塁でアウトを奪ったが、2番・パルマに中前適時打を許し、1点を加えられたところで日本は投手交代した。及川はライトへ回り、ライトの不後祐将がマウンドへ。嫌な流れを断ち切りたかったが、ダブルスチールで二、三塁とされると、3番・チャペジの中安で2点を追加された。

 5点を追いかけることになった日本は2回裏、2死から7番・田口がライト前にヒットを放つと、8番・及川はセンター前ヒットで続いた。さらに9番・星子海勢が四球を選び、満塁。1番・近藤はフルカウントからの6球目にフルスイング。打球は外野に抜けたかと思われたが、キューバのショート・カスティージョがジャンプ一番。打球はグラブに収まった。

 これ以上の追加点は与えられない日本。3回は不後が1死から四球を出したが、空振り三振とショートゴロで抑えた。しかし、4回。1死から3連打に犠飛、タイムリーで3点を失った。5回からは宮城大弥が3番手でマウンドへ。5回から7回までの3イニングで走者を背負いながらもホームは踏ませなかった。

 日本は6回、反撃に出る。この回、先頭の嘉手苅が変化球をとらえて中安で出塁。4番・小山は遊ゴロに打ち取られたが、ショートが投手の後方で捕球し、回転して二塁に放ろうとして悪送球。その隙に一走・嘉手苅は三塁に進んだ。そして、無死一、三塁で5番・不後の一ゴロの間にホームイン。ゼロが並ぶスコアボードにようやく1点が刻まれた。

 そして7回。2死二塁から1番・近藤の打球は三遊間へ。サードがグラブの先に触れ(記録は安打)、打球方向が変化。その間に二走・野口がホームを駆け抜けた。さらに近藤は暴投で二塁に進み、2番・稲生が一二塁間を破るライト前ヒットで続く。2死一、三塁で打席には3番・嘉手苅。フルスイングした打球は高々と上がり、センターの前にポトリ。さらに1点を加えた。

 直後の8回、4番手の増木武寛が3連打を浴び、1点を失ったが、その裏、1死からライトに回っていた宮城がライトの頭上を越す三塁打を放つ。続く、田口が左中間を破る適時二塁打を放ち、すかさず1点を返した。

 しかし5点を追う9回は2死二、三塁とチャンスを作ったが、無得点に終わり、ゲームセット。地元開催で予選リーグ無傷の5連勝、その後のスーパーラウンドで2勝1敗と好成績を収めて決勝まで駆け上がったが、世界一まであと1勝、届かなかった。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY