田中将大が順調な回復もヤンキース監督は慎重な姿勢 「今後乗り越えなければいけない障害」とは
キャッチボールの距離を順調に延ばしている田中
ヤンキースのジョー・ジラルディ監督が右肘靭帯の部分断裂で現在順調にリハビリを進めている田中将大投手に対する“楽観論”に厳しい視線を送っている。ニュージャージー州最大のニュースサイト「nj.com」が「ヤンキースに復帰する前にマサヒロ タナカが乗り越えなければならない障害」との見出しで報じている。
田中は7月8日のインディアンス戦後に右肘に痛みを訴え、故障者リスト入り。自分自身の腱を移植し、肘の靭帯を再建するトミー・ジョン手術は全治まで1年以上を要するが、チームドクターらスポーツ医学の権威3人はこの手術を選択せず、PRP皮膚再生療法という保存療法でリハビリを進める方針を示した。
その治療で順調な回復を見せている田中は現在は患部の安静期間を過ぎ、今月4日からキャッチボールを再開している。11日(日本時間12日)には90フィート(約27メートル)の距離で50球を投げており、ジョー・ジラルディ監督は12日に120フィート(約36メートル)のキャッチボールを行う計画を明らかにしている。
ただ、ブライアン・キャッシュマンGMが田中について早ければ9月中の復帰を見込んでいることを公表している一方で、ジラルディ監督は慎重な姿勢を崩していない。
「彼が不安なくいること、何か問題を感じていない事実は間違いなくポジティブなサインだ。だが、(本格的な)ピッチングを始めると、(肘の負担の)激しさは増す」と語っている。
記事では「マサヒロ タナカの負傷した肘に関するニュースは現在まではいい内容だが、マウンドでのピッチングを見なければヤンキースのエースの健康状態は判断不能だ」と指摘している。ゆったりとしたキャッチボールで痛みがないことは大きな第一歩だが、それだけでは復活への確たる保証にはならない。マウンドでの全力投球時に痛みや違和感が生じた場合、トミー・ジョン手術にシフトするオプションがあることも球団側は公表している。
「痛みがないことは大きなことだ。痛みを感じなければ、本来のピッチングは戻ってくるはずだ」
ジラルディ監督は田中の復帰に関して、マウンド上でのピッチングという「最終関門」を突破できるかを注視するつもりだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count