「絶対にやるしかない」 西武本田が1軍の“自覚”で手にした2か月ぶりの白星
6回2安打無失点の好投で4月24日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の3勝目を挙げた本田
■西武 7-0 オリックス(29日・メットライフ)
西武の本田圭佑投手が29日のオリックス戦(メットライフ)に先発し、6回2安打無失点の好投で4月24日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の3勝目をあげた。
「絶対にやるしかない」
約2か月間白星から遠ざかっていた本田。この日のマウンドにかける思いは強かった。前回登板から投げ込みの量を増やして臨んだこの日は、「直球が思っていたよりもキレていた」と手応え十分。5連勝中と好調オリックス打線を6回まで2安打に封じ、勢いを断った。
プロ4年目を迎えた今シーズンは開幕ローテーション入りをつかみ取り、ここまで7試合に先発している本田だが、順風満帆に過ごしてきたわけではない。1軍キャンプで今季を迎えたが2月末に2軍落ちし、そこから這い上がってきた。
ローテの柱として期待されていた多和田、榎田と左右のエースを欠くチームにおいて、ここまでの本田の働きはチームにとって嬉しい誤算だ。それでも「(ローテを)任されているというよりも、チャンスをいただいている。毎試合が勉強です」と、本人はいたって控えめだ。
その言葉の通り、前回登板となった22日の阪神戦(甲子園)では6回途中8安打5失点と精彩を欠いていたが、走者を出してからの投球を見直すためにクイックなどを繰り返し練習。この日は走者を出した場面でも変化球を低めに集め、失点を防いだ。「中6日だと、調整になってしまいがち。でも自分は現状維持ではダメなので、レベルアップする1週間にしないといけない」と“中6日”の使い方を見直したことがこの日の好投に繋がった。
1軍で戦うために、栄養管理やケアも怠らない。先発すればその日のうちにエネルギーを補う十分な炭水化物を摂り、傷ついた筋肉のためにフルーツも身体に取り入れる。「前とは違う姿を見せたい」と堂々とした立ち振る舞いを研究。自身の目つきや立ち姿にも気を配り、「1軍の投手はやっていない人が多い」とマウンドに小走りで上がることをやめ、今では堂々と歩くことを心がけている。
まだまだ、自分に満足はしていない。「一つ乗り越えれば、また新しい課題が見つかる。また次の機会にレベルアップした投球をできるように」と話した本田の瞳の奥は、明日への希望に満ちていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)