前田健太、ド軍大先輩の野茂に並ぶ新人13勝目 1年目の日本人最多勝利なるか
日本人の1年目最多勝利はダルビッシュの16勝
ドジャースの前田健太投手が23日(日本時間24日)、本拠地でのジャイアンツ戦で5回103球を投げながら、6安打3失点とゲームを作った。首位攻防戦で相手のエース左腕バムガーナーとの投げ合いとなったが、打線の援護もあり勝利。ドジャースの大先輩で日本人投手のパイオニアの野茂英雄に並ぶルーキーイヤーでの13勝目(7敗)を掴んだ。
3-2で迎えた5回には、ベルトに適時二塁打を浴びて同点とされた前田。なおも2死二、三塁とピンチが続いたが、相手主砲のペンスを空振り三振に切って取り、勝ち越し点は許さなかった。直後の攻撃で味方打線がバムガーナーから2点を奪取。その後も得点を重ねて首位攻防戦を9-5で制し、前田に白星がついた。
13勝は価値ある数字。野茂が1年目にマークした勝ち星に並んだ。1995年、夢を追いかけるため任意引退扱いで近鉄を退団して海を渡り、マイナー契約でドジャースに入団したパイオニアは、独特のトルネード投法で三振の山を築き、あっという間にファンの心を掴んだ。ストライキ明けのメジャーで旋風を巻き起こし、ロサンゼルスだけでなく、全米を熱狂させた。13勝6敗、防御率2.54、236奪三振で新人王に輝いた偉大な先輩に、前田はルーキーイヤーの白星で並んだ。
野茂氏と前田を含め、日本人投手で1年目に2桁勝利を記録したのは7人。02年の石井一久(14勝10敗)、07年の松坂大輔(15勝12敗)、10年の高橋尚成(10勝6敗)、12年のダルビッシュ有(16勝9敗)、14年の田中将大(13勝5敗)となっている。1か月半を残して13勝目をマークした前田は、ルーキーイヤーの日本人最多勝利となるダルビッシュの16勝も見えてきた。
投手陣に故障者が続出し、ドジャースで開幕から先発ローテを守り抜いているのは前田だけ。契約前には検査の結果、肘などの故障が懸念材料とされて基本年俸を抑えられた右腕だが、地区制覇に向けてその存在は必要不可欠となっている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count