首位独走のドジャース編成責任者に単独インタ 好調の要因、前田健太、そして北方悠誠
ドジャースのフリードマン編成部門取締役にインタビュー
前田健太投手が在籍するドジャースが好調のままに前半戦を終えた。オールスターブレイクまでに92試合を戦い、両リーグ通じて唯一60勝に到達。60勝32敗の貯金28とし、2位のダイヤモンドバックスに13.5ゲーム差をつけてナ・リーグ西地区の首位を独走している。
6年連続で地区優勝を果たしているものの、一昨季、そして昨季とワールドシリーズで敗退。あと一歩のところで世界一の座を逃している。1988年以来遠ざかっているワールドシリーズ制覇に向けて戦う今季。31年ぶりの悲願がかかるシーズンの前半戦を、ドジャースの編成を司るアンドリュー・フリードマン編成部門取締役に振り返ってもらった。
――オールスター前に60勝は素晴らしい成績だ。
「とてもいいスタートを切ったと思うよ。選手たちの試合前の練習風景を見ているとそんなに驚きはないと思う。いつも彼らはその日の試合を勝つことに集中していて、このチームのダイナミックさは今まで見たことのないようなものだから、見ていてとても楽しいよ」
――若手の活躍も目立ちます。
「それはもうロバーツ(監督)や他のコーチやベテランの選手のおかげだと思う。彼らが作る場の雰囲気が若い選手たちを落ち着かせてくれるから、やはりいい雰囲気だと選手たちもいいパフォーマンスができる」
――2年連続でのワールドシリーズ敗退がチームを強くしている?
「そうだね、うちの選手の人格でもあると思うよ。ワールドシリーズに負けることは悲痛だよ。でも、その翌年どうやって復活するか、その経験を糧に使う選手かが分かるからね。でも、このチームは見ての通り1試合1試合を大切に勝つことに集中し、それを積み重ねてワールドシリーズを勝つことに集中しているから見ていて最高だよ」
――ベリンジャーが大活躍している。
「ベリンジャーは信じられないね。デフェンスとしてもだし、オフェンスとしてもインパクトは大きい。驚きではないけどね。でも、ここ何年かの成長はすごいと思うよ。特にツーストライクからがすごい。三振することがとても少なくなったからね。去年あまり活躍できない場面もあったから今年のオフシーズンにスイングを改善したりして、去年と同じミスをしないようにしていたよ」
――柳賢振もいい。
「リュもすごいね。彼がやっていることはすごいのに、全然そのようには見えないことだよ。ただでさえ球種が多いのに、さらに彼が打者をアタックするような球を投げ始めたからね。このコンビネーションは相手打者には絶望的だよね」
――前田健太も頑張っている。
「ケンタもいいよ。彼が成功するときは、やっぱりファストボールを投げるときだね。でも今年の彼の活躍がこのチームをここまでにしてくれたのも間違いない」
――新しく北方が入団した。
「彼は本当にいいアームを持っている。これからうちのディベロップメントスタッフに見てもらうことが楽しみだよ。彼自身もハングリー精神旺盛で学びたいことがたくさんあるみたいだ。将来チームに貢献してくれることを楽しみにしているよ」
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)