家族の思いに涙…指導者になっても変わらない思い 元ホークス・新垣渚氏の今
16年にヤクルトで現役引退後 今はアカデミーコーチとホークスJr.監督
ソフトバンク、ヤクルトでプレーし、最速156キロの直球で野球ファンを魅了した新垣渚氏は、現在はNPO法人ホークスジュニアアカデミーの「ホークスべースボールスクール」のコーチや小学5、6年生で編成された12球団ジュニアチームが日本一の座を懸けて戦う「NPB12球団ジュニアトーナメント」の福岡ソフトバンクジュニアの監督も務めている。子供たちに愛情を持って接している。
2016年にヤクルトで現役を終えた後、現在は古巣ホークスの球団職員となり、ベースボールスクールで週3回の野球コーチや地元小学校の体育の授業でキャッチボールを体験させるなど野球振興に携わり、野球の楽しさを伝えている。
「野球を始める前にグラブのはめ方や、ボールの握り方から教えないといけないので、毎回、大変さを身に染みてます。僕らの感覚でアプローチをしてしまうと絶対伝わらないので、『ボールはこうすれば、投げられるよ』ではなく、なぜ投げられるのかとか、『こうやって投げないと投げられないよ』と。具体的に“かみ砕いて”伝えていますね」
一方で2017年、18年は小学5、6年生で編成された12球団ジュニアチームが日本一の座を懸けて戦う「NPB12球団ジュニアトーナメント」の福岡ソフトバンクジュニアの監督も務めた。
「その子たちに関してはある程度、野球ができますが、まず、こう聞くんです。『なぜベースを左足で踏むのか』、と。細かなことを教えます。動作には理由、意味がありますから。改めて、野球って深いなと思います」
答えは、もし一塁への送球それて、ボールや一塁手と交錯した時、左足で踏んでいれば、逃げることや、かわすことができて衝撃を抑えることができるから。右足だと衝突した時に体勢が崩れ、大きなけがにつながってしまう可能性があるからだ。
様々な野球の技術などを教えて、大会まで3か月、チーム一丸となり、一緒に行動をする。試合に敗れれば、そこで終了。解散式の時はどうしても、涙が出てくるという。
「目標は日本一と、常にやってきて、厳しさを乗り越えてやってくれた分、やはり感情というか……。僕は涙もろい。どんな感情かは……家族に近いですね。選手のお父さん、お母さんも、自分の家族の一員と思ってしまうんです。一生懸命、子供をバックアップしてきた保護者さんへの思いも出てきてしまって、涙を流してしまったというのはあるんです」