田中将大が野茂、黒田に続く日本人3人目のMLB通算70勝目 圧巻の勝率.642
最近6試合は3勝無敗「流れを自分で掴み取れるようにしっかり準備を」
■ヤンキース 4-2 ブルージェイズ(日本時間15日・ニューヨーク)
ヤンキースの田中将大投手は14日(日本時間15日)、本拠地ブルージェイズ戦で6勝目(5敗)を挙げ、幸先よく後半戦のスタートを切った。6回4安打2失点5奪三振無四球の好投。野茂英雄投手(123勝109敗)、黒田博樹投手(79勝79敗)に続く通算70勝(39敗)に到達した。勝率は.642と圧倒的だ。今季も最近12試合のうち11試合で6回まで投げており、抜群の安定感を見せている。
味方打線が2点を奪った直後の3回、ヒットと味方のエラーで1死一、二塁とピンチを背負った田中だが、「結果的にはエラーが3つ、投げている間にあって、なかなか難しい部分がありましたけど、でもいいプレーでも助けてもらっているし、こういうときこそ自分が粘ってゼロで乗り切れればまた勢いが出ると思って、頑張って抑えようとは思ってました」と気合が入った。ガルビスを中飛、グリエルJr.を左飛に仕留めて無失点。5回にソロ弾2発を浴びたものの、その他のイニングは危なげない投球だった。
6月29日にロンドンで開催されたレッドソックス戦では、2/3回を4安打6失点とまさかの大乱調に終わった田中。しかし、普段とは全く違う環境で行われたこの試合を除くと、安定感が光っている。
最近12試合で、実にロンドンシリーズ以外の11試合で6回以上を投げている。その“ロンドンの悲劇”では黒星は付かなかったため、最近6試合は3勝無敗だ。また、本拠地でのブルージェイズ戦はこれで7連勝となり、通算11試合登板で9勝2敗、防御率2.28と圧倒中。敵地での対戦を含めても、通算19試合中15試合で2失点以下と同地区のブルージェイズにつけ入るスキを与えていない。
今季10度目のクオリティ・スタート(QS、6回以上を自責3以下)で、防御率は3.81に。アーロン・ブーン監督も試合後に「彼はグッドだった」と称賛している。前半戦は降板後に白星が消える試合も多かったが、ようやく流れが変わってきた。
もっとも、本人は「いい流れになっていけばいいなとは思います。ただ、『いい流れになればいい』と自分で願っているだけでは何ともならないので、その流れを自分で掴み取れるようにしっかり準備はしていきたいなと思います」と力強く言い切る。昨季まで5年連続12勝以上を挙げてきた右腕は、今季もここから着実に数字を伸ばしていきそうな気配だ。
なお、日本人投手のMLB通算勝利数10傑は以下の通り。
1位 野茂英雄 123勝109敗
2位 黒田博樹 79勝79敗
3位 田中将大 70勝39敗
4位 岩隈久志 63勝39敗
5位 ダルビッシュ有 59勝49敗
6位 松坂大輔 56勝43敗
7位 大家友和 51勝68敗
8位 長谷川滋利 45勝43敗
9位 前田健太 44勝33敗
10位 石井一久 39勝34敗
(Full-Count編集部)