【U-18アジア選手権】“台湾の大谷翔平”ことチェンが二刀流出場 最速149キロで無失点救援
「4番・DH」で先発し、7回2死から3番手で登板 好リリーフも不満顔
第11回BFA U-18アジア選手権の2日目、8月31日に行われたチャイニーズ・タイペイ-日本で“台湾の大谷翔平”が解禁された。「4番・DH」で先発し、打席では4打数1安打だったが、マウンドでは日本打線を無失点に抑える好救援をした。
すでにプロ入りを決めているチェンが、堂々たるマウンドさばきを見せた。3点を追う7回2死走者なしの場面。3番手でマウンドへ向かうと、客席からはこの日一番大きな声援が沸き上がった。
投球練習では、球場の球速表示は149キロに到達。ボールが乾いた音を立ててミットに収まるたびに大歓声が上がった。最初の打者、伊藤優平の初球で148キロを計時。最後はチェンジアップで空振り三振に仕留めるとグラブを叩いて喜んだ。
8回は1死から安打と死球で一、二塁としたが、6番・藤平尚真(横浜)を空振り三振、続く林中勇輝(敦賀気比)を三塁ライナーに打ち取り、無失点とした。9回も1死から四球を与えたが次打者を併殺とし、2回1/3を1安打無失点。2四死球を与えたが、存在感を見せつけた。
今井との対戦は真っ向勝負できず不満顔「変化球ばかりだった」
打席ではチャンスを潰し、悔しい思いをした。3回2死満塁で迎えた第2打席には、1ボールから2球目速球を投ゴロに倒れた。2点を追う5回1死一、二塁では、変わったばかりの2番手・堀瑞輝(広島新庄)の前に3球すべてをスイングして空振り三振。ベンチへ戻る時にヘルメットを取ると、悔しさに顔をゆがませた。8回の第4打席こそ、その堀からレフト前にヒットを放ち、ようやく一矢報いたが、バットでチームを牽引できなかった。
試合後、日本報道陣に囲まれたが、敗戦したこともあって冴えない表情だった。「楽しみ」と言っていた今井達也との対戦は「スカウティングリポートでは速球が武器とあったが、今日は変化球ばかりだった。配球にやられた」と、力と力の真っ向勝負ができずに不満顔。4回に堀から打った安打も「スライダーがよかった。高めにきた球をたまたま打てただけ」と納得はしていない。投球について質問を受けても、「確かに無失点に抑えられたけど、死球を当て、ヒットも許した。自分では全然納得のいかない登板」と、最後まで表情が緩むことはなかった。
9月1日の香港戦に勝てば、グループA2位でセミファイナルラウンドにコマを進める。ここで日本と対戦することはないが、“二刀流”の本領発揮でチームをグループBのチームを下し、決勝戦で日本と再戦を果たしたい。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count