【U-18アジア選手権】韓国戦の逆転劇生んだ全力疾走 野手心理を突く“打点王”の絶妙走塁

林中の激走で平凡な遊ゴロが一転、送球エラーで同点→逆転の流れを呼ぶ

 台湾・台中市で開催中の第11回BFA U-18アジア選手権は、4日最終日を迎える。3日の韓国戦に3-1で勝利した日本は、5戦全勝で決勝戦への切符を手にした。アジア最大のライバル・韓国戦に向けて温存していた高橋昂也(花咲徳栄)が、今大会初登板ながら8回途中を3安打1失点と快投。後を継いだ堀瑞輝(広島新庄)、藤平尚真(横浜)が完璧リリーフをしたことが大きな勝因の1つだが、試合の大きなポイントの1つとなったのが、4回攻撃中に見せた林中勇輝(敦賀気比)の全力疾走だった。

 日韓ともに先発投手が抜群の立ち上がりを見せた。打者につけいる隙を与えなかったが、3回表、韓国打線は先頭キムが四球で出塁すると、手堅く送りバントとレフト前安打で1点先制に成功。膠着していた試合の流れが、韓国サイドに傾いた。

 が、直後の4回表、日本が流れをつかみ返した。先頭打者は、この日から1番に座った松尾大河(秀岳館)。小枝守監督の「性格の強さとスイングが強くできる部分を試したかった」という思惑通り、レフトへの安打で出塁。送りバントなどで2死一塁としたところで4番の九鬼隆平(秀岳館)が四球を誘い、2死一、二塁とした。だが、打席に立った林中の打球はボテボテの遊撃ゴロ。万事休すと思われたが、一塁へ激走する林中を見て焦ったのか、韓国の遊撃キムの一塁送球は一塁手の頭上を高く越える悪送球となった。

 このエラーで二塁走者だった松尾が同点ホームを踏むと、韓国先発キムは動揺を隠せず。なおも2死二、三塁で、次打者・入江大生(作新学院)の初球が暴投となり、三塁走者の九鬼が逆転ホームイン。「点が入ったので肩の力を抜いて、いつも通り打席に立てました」という入江にはセンター前にヒットを許し、日本に3点目が入った。

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