ソフトバンク鶴岡が“走・攻・守”で貢献 「調子どうこう言ってられない」
先制打は「持ってる引き出し全部開けて(笑)」、細川不在も「とにかく優勝したい」
7日のオリックス戦で、ソフトバンク鶴岡慎也が“走・攻・守”で輝きを見せた。
まずは打撃。2回裏、1死二、三塁の場面で最初の打席に立つと、フルカウントから前進守備の内野を頭を越す先制タイムリーを放った。
「最近バッティングが全然ダメだったので。もう技術ではないところで(打席が)回ってきたので食らいついていきました。調子どうこう言ってられないので、持ってる引き出し全部開けて(笑)」
その先制打で1死一、三塁とすると、続く今宮健太のセカンドゴロでは一、二塁間で立ち止まり、タッチしようと追ってくる二塁手をうまくかわしながら三塁走者・吉村裕基のホームインを導いた。鶴岡は「(あの状況では)常日頃からコーチに『止まれ』と言われているので止まっただけですよ」と素っ気ないが、好走塁が招いた1点が決勝点になったのだから、その功績は大きい。
そして、最後は中田賢一の好投を引き出したリード面だ。しかし、鶴岡の口からは最初に反省の言葉が漏れた。
「ボクのしょーもない配球で糸井にホームランを打たれたので、しっかりしないといけないな、と。あっち(左翼)を狙っているバッターに対して他の球でもよかったと思います」
細川亨が足の故障で抹消されている中、鶴岡にかかる負担は大きいが「優勝がかかっているし、とにかく優勝したいという一心だけ」で、守りの要としてチームをひっぱり続ける。
【了】
藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura