「PO進出逃してもタナカを責めるな」 辛口NYメディアが異例の田中将大称賛
調子が悪い時でもチームに勝機、防御率3点台に「非常にいい投球の証拠」と指揮官
5日(日本時間6日)ブルージェイズ戦で今季12勝目を飾ったヤンキース田中将大投手だが、シーズン大詰めの9月を迎え、辛口のNYメディアの間で評価をぐんぐん上げている。今季は一度もローテーションを外すことなく、ここまで28試合に先発して12勝4敗、防御率3.11という安定した活躍。デビューから3年連続で12勝以上した投手はヤンキースの長い歴史の中でも5人目という偉業を成し遂げた右腕について、地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ヤンキースがマサヒロ・タナカをエースにする理由」と題した記事で称賛の言葉を並べている。
12勝目を挙げたブルージェイズ戦。田中は初回に1点を失ったものの、打線の援護や好守にも助けられ、7回まで失点を許さなかった。だが、ジラルディ監督が「今日はスライダーがよくなかった」と言ったほどの粘投。記事によれば、田中自身はさらに辛口採点で「スライダーだけじゃなくて、今日は全部よくなかった。コントロールができなかった」と通訳を介して言い、苦しみながらの投球だったことを明かしたそうだ。だが、そんな苦しい状況の中でも、失点を最少に抑え、チームを勝利へ導いた。調子が悪い時でも、チームに勝機を与えられるか。地元メディアが右腕を「エース」と評価するのは、その底力にあるようだ。
この日の登板で、防御率は3.11に向上。比較的狭い球場が多く、打者有利とされるア・リーグ東地区が主戦場だが、7日(同8日)時点でリーグ3位の防御率を誇る。さらに、記事では最近6試合の好調ぶりを紹介。勝敗つかずが1試合あるが、残り5戦に勝利し、防御率は驚異の2.08を記録している。
ア・リーグ東地区の難しさを知る指揮官は「ここで防御率3.00前後の数字を残せるのは、非常にいいピッチングをしている証拠。彼(田中)は我々に数多く勝利のチャンスを与えてくれている」と絶賛しているという。