口は災いの元!? ヤンキース監督が敵地の施設を批判直後に敗戦
ブルージェイズの本拠地ロジャースセンターの施設を揶揄
ヤンキースのジョー・ジラルディ監督が右肘靭帯部分断裂でリハビリ中の田中将大投手をニューヨークで別メニュー調整させることにした理由に関して、遠征先のブルージェイズの本拠地ロジャースセンターの施設を揶揄する発言をし、物議を醸している。地元紙トロント・スターが「ジョー・ジラルディ監督がロジャースセンターの施設を批判する」と報じている。
田中は先月28日のシミュレーテッド・ゲームという実戦形式の練習でヤンキースのブレンダン・ライアン内野手相手に49球を投げたが、翌29日に腕の張りを訴えてチームを離れた。投球練習を一時凍結し、ヤンキースタジアムで別メニュー調整を行うことになったが、ジラルディ監督が8月31日(日本時間9月1日)のブルージェイズ戦前に、田中のニューヨーク行きの理由について不機嫌な様子で口を開いた。
「施設があちら(ニューヨーク)の方が優れている。だから、彼を戻した。驚かせたかもしれないが、それが事実だ。隠すつもりは何もない。ここのウェイトルームを見たことがあるかい? 我々がいるこのエリアと同じぐらいの広さだ。スイミングのトレーニングもできない。(治療用の)器具が完備されているとは言えない。何度も言うけれど、彼が心配なんだ。私は彼の状態を案じている」
田中はニューヨークで理学療法士とともにリハビリを進めることになったが、指揮官はその説明のためにトロントの球場内のジムの広さと設備面の物足りなさをなぜか批判した。
選手のコンディションを高めるジムが報道陣でごった返したビジター用のダグアウトと同じ広さであるとも指摘。他意のない発言だったかもしれないし、ジョークだった可能性もあるが、ヤンキースが金満球団として有名なだけに嫌みがにじんでしまう。
「ニューヨークにいる方が彼にとって建設的であると我々は感じた」
ジラルディ監督はそう語ったという。施設面では優位性を誇ったヤンキースだが同日のブルージェイズ戦では川崎宗則内野手の勝ち越し打を許して3-4負け。3連戦も1勝2敗と負け越し、ワイルドカードでのプレーオフ争いに響く痛恨の黒星を喫してしまった。口は災いの元、という格言を今頃、指揮官は噛み締めているかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count