マーリンズ、急逝フェルナンデスに捧げる涙の勝利 イチローは背番号16で3029安打
事故後初の試合、セレモニーでナインは涙、ゴードンは初回に先頭打者弾で号泣
マーリンズは26日(日本時間27日)、本拠地でのメッツ戦に7-3で勝利した。25日未明にエース右腕、ホセ・フェルナンデス投手(享年24)が急逝後、初の試合で快勝。フェルナンデスに捧げる一勝となった。
試合前にはセレモニーが行われ、エース右腕を追悼。試合には全員が背番号16のユニホームを着用して出場した。マーリンズのローリア・オーナーは試合前に背番号16を永久欠番とすることを示唆し、球場内にはファンがメッセージを寄せるスペースも設けられた。イチロー外野手は代打で左前打を放ち、メジャー通算3029安打とした。
試合前のセレモニーでは黙祷が捧げられ、その後、スクリーンでフェルナンデスの思い出の写真が紹介されると、ほとんどの選手が涙。マーリンズの選手とスタッフはマウンドに集結し、全員が体を寄せ合う中でジャンカルロ・スタントンが掛け声をかけると、天を指差してフェルナンデスの死を悼んだ。
試合は、フェルナンデスの登場曲が流れた後にスタート。マーリンズナインは涙を流したまま守備についた。初回の攻撃、先頭のゴードンは初球でフェルナンデスのヘルメットをかぶって右打席に立ち、2球目からは自らのヘルメットで左打席へ。2ボールからの3球目をライトスタンドへ叩き込んだ。ゴードンは号泣しながらダイヤモンドを一周。ダッグアウトで同じく号泣するナインと次々と抱き合った。
マーリンズは2回、リアルミュート、エチャバリアのタイムリーで2点を追加すると、コンリーも犠飛。さらに、ゴードンがタイムリーでこの回4得点と猛攻を見せた。3回にはボーアの適時三塁打、エチャバリアのタイムリーでさらに2得点。3回までに7-0と大きくリードを広げた。
イチローは7-2となった7回2死一塁で打席へ。フルカウントから直球を左前に運んだ。フェルナンデスはイチローを敬愛し、「キューバでは神様」と心酔していた。
マーリンズは8回に1点を失うも、7-3で勝利。事故後初の試合で、勝利を掴んだ。試合後は、選手とスタッフ全員が「16」と書かれたマウンドの周りで肩を組み、フェルナンデスに祈りを捧げると、帽子をマウンドに置いて再び涙を流した。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count