米マイナーで銃乱射事件犠牲者に捧げる奇跡のサヨナラ勝利! 「これが僕らにできること」
代打サヨナラ満塁弾で決着 失意の地元民を勇気づける大逆転劇
パドレス傘下3Aエルパソ・チワワズが9日(日本時間10日)、本拠地でのアストロズ傘下3Aラウンドロック・エクスプレス戦で9回裏になんと10点を挙げて15-12で逆転サヨナラ勝ちした。エルパソでは3日に、死者22人、負傷者24人を出した銃乱射事件が起きたばかり。失意の地元民を勇気づけるミラクル勝利だった。マイナーリーグ(MiLB)公式サイトが伝えた。
想像を超えた大逆転勝利だった。9回表を終えて5-12。7点ビハインドの9回裏に奇跡が起きた。7安打と2四死球で一挙6点。1点差に迫ってなおも1死満塁の場面で登場した代打エステバン・キロスのバットが快音を響かせた。打球は右翼後方の観客席に当たって、グラウンドへ。あまりに劇的な代打逆転サヨナラ満塁ホームランだ。
「コミュニティーが悲しんでいる……これが僕らに少しでもできること。スタジアムで楽しい時間を過ごしてもらうことがね」。
エドウィン・ロドリゲス監督が神妙な表情で試合を振り返った。
この試合の6日前にエルパソのショッピングモールで悲劇が起きた。46人の死傷者を出した銃乱射事件。エルパソ市全体が失意に沈んでいた。
MiLB公式サイトによると、チワワズは7日の試合で黒いユニホームを着用して犠牲者を追悼。この日は試合前に選手数人が病院を訪ねて負傷者を見舞った。「今夜の試合に臨む時、選手はそのことを考えていたと思う。試合前、選手はとても感情的だった。本当にね」と指揮官は振り返る。
球団公式ツイッターには「見事だ」「エルパソには気分を上げる出来事が必要だ!」「メジャーリーグに彼(キロス)を移して」など選手を称賛する声が並んだ。事件に沈むエルパソを勇気づけた、チワワズのミラクル勝利だった。
(Full-Count編集部)