黒田博樹が7回途中3失点で11勝目 日本人投手シーズン合計勝利数が最多の63勝に到達
黒田で新記録を樹立、2002年の62勝を抜く
ヤンキースの黒田博樹投手が19日(日本時間20日)、本拠地でのブルージェイズ戦に先発し、6回2/3を7安打3失点(自責2)で11勝目(9敗)を挙げた。これで、今季のメジャー日本人投手全員の白星は合計63勝に到達。2002年の62勝を上回り、最多記録を更新した。5-3で勝利したヤンキースは3連勝を飾った。
黒田は初回、先頭のレイエスにライトへの二塁打を浴びる。バティスタをショートゴロに打ち取り、二塁走者のレイエスはアウトに。しかし、続くエンカーナシオンにレフトへの2ランを浴び、2点を先制された。
だが、その後は立ち直る。1点を返してもらってから迎えた2回は、1死から川崎、ポンペイに連打を許したものの、後続を抑えて無失点。3回も2死からリンドにライト前へのヒットを浴びたが、続くナバーロをレフトフライに打ち取った。
すると、その裏の攻撃でヤンキース打線が反撃。無死からイチローがヒットで出塁し、続くエルズベリーの逆転2ランが飛び出した。ここでイチローはメジャー通算1300得点となった。
黒田は4回を三者凡退に抑え、リズムを作る。その直後、ヤンキース打線は1死からドリューのヒット、ヘッドリー、イチローの四球で満塁とすると、エルズベリーの二ゴロの間にドリューが生還。さらに、併殺を狙ったショートのレイエスから一塁への送球が乱れてヘッドリーも生還し、リードを3点に広げた。
5回の黒田は、1死からレイエスにセンター前ヒットを浴びる。その後、レイエスが二盗。捕手のマッキャンの送球エラーもあり、三塁まで進塁を許すと、バティスタの三ゴロの間に1点を失った。
6回は7球で三者凡退に抑え、95球で7回も続投。川崎、ポンペイから2球で2アウトを取ったが、ゴースにショートへの内野安打を許し、降板となった。
その後は救援陣がリードを守りきり、ヤンキースは快勝。黒田に11勝目が付いた。
今季は岩隈久志(マリナーズ)の14勝を筆頭に、田中将大(ヤンキース)が12勝、ダルビッシュ有(レンジャーズ)が10勝、上原浩治(レッドソックス)が6勝、和田毅(カブス)が4勝、松坂大輔(メッツ)と田澤純一(レッドソックス)が3勝を挙げている。黒田が11勝目をマークしたことで、今季の日本人投手の合計勝利数は「63」に到達。
一方、2002年の62勝の内訳を見ると、野茂英雄(ドジャース)が16勝、石井一久(ドジャース)が14勝、大家友和(エクスポズ)が13勝、長谷川滋利(マリナーズ)が8勝、佐々木主浩(マリナーズ)と吉井理人(エクスポズ)が4勝、伊良部秀輝(レンジャーズ)が3勝だった。
黒田はこの日、100球を投げてストライクは65球。防御率は3・77となった。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count