【U-18W杯】佐々木&奥川で初優勝なるか? 過去の侍ジャパンの戦いを振り返る

2015年大会で唯一1年生から選出された清宮幸太郎【写真:Getty Images】
2015年大会で唯一1年生から選出された清宮幸太郎【写真:Getty Images】

野球のU-18大会は1981年にスタート 日本は2013年から本格参戦している

 野球のU-18大会は、1981年にIBAF(国際野球連盟)の主催で始まった。しかし開催時期が8月だったために、夏の甲子園と時期が重なる日本は、ほとんど代表を送ることができなかった。

 第19回の2000年から隔年開催となり、2004年には9月開催となった。この年は日本代表を送り3位となったが、以後は再び不参加が続いた。2013年の大会からはMLBが参画し、WBCのジュニア大会になる。この2013年以降、日本は「侍ジャパン」の16~18歳の代表を送ることとなった。

 以後、奇数年に大会が開かれ、間の偶数年はU-18アジア選手権大会が行われるようになった。2015年からは主催団体のIBAFがISF(国際ソフトボール連盟)と合併し、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)となった。

 複雑な経緯をたどったU-18ワールドカップだが、2013年からは年齢別の「侍ジャパン」となり、ユニホームもトップチームと同じに。甲子園で活躍した選手を中心に「高校野球のベストナイン」が出場する大会として注目を集めている。

 2013年は、大阪桐蔭高校の西谷浩一監督が采配を執った。開催国は台湾だった。

・1次ラウンド
○台湾(4-1)○メキシコ(11-0)○ベネズエラ(7-0)、○チェコ(15-0)、○カナダ(7-5)5戦全勝で通過。

・2次ラウンド
○韓国(10-0)○キューバ(10-0)●アメリカ(5-7)

・決勝
●アメリカ(2-3)

 日本は2位に終わった。代表には松井裕樹(桐光学園・現楽天)、山岡泰輔(瀬戸内・現オリックス)、田口麗斗(広島新庄・現巨人)、若月健矢(花咲徳栄・現オリックス)、森友哉(大阪桐蔭・現西武)、渡邊諒(東海大甲府・現日本ハム)、上林誠知(仙台育英・現ソフトバンク)らがいた。

 2015年も引き続き西谷浩一監督が監督を務める。開催国は日本だった。

・1stラウンド
○ブラジル(14-0)○アメリカ(3-0)○オーストラリア(10-1)○チェコ(15-0)○メキシコ(12-0)5戦全勝で通過。

・スーパーラウンド
○カナダ(5-2)○韓国(12-0)○キューバ(9-0)

・決勝
●アメリカ(1-2)

 決勝は甲子園でナイターで行われ、地上波テレビでも中継されたが、アメリカに惜敗し、またもや2位に終わった。代表には小笠原慎之介(東海大相模・現中日)、成田翔(秋田商・現ロッテ)、高橋樹也(花巻東・現広島)、堀内謙伍(東海大翔洋・現楽天)、平沢大河(仙台育英・現ロッテ)、清宮幸太郎(早実・現日本ハム)、オコエ瑠偉(関東一・現楽天)らがいた。清宮は1年生で唯一選ばれた。

 2017年は拓大紅陵の小枝守元監督が代表監督。開催国はカナダ。

・オープニングラウンド
○メキシコ(10-1)●アメリカ(0-4)○キューバ(7-2)○オランダ(3-1)○南アフリカ(12-0)4勝1敗で通過。

・スーパーラウンド
○オーストラリア(4-3)●カナダ(4-6)●韓国(4-6)

 1勝2敗となり、3位決定戦に回る。

・3位決定戦
○カナダ(8-1)

 日本は3位に終わった。優勝は韓国を8-0で下したアメリカが2012年の大会から4連覇。代表には櫻井周斗(日大三・現DeNA)、徳山壮磨(大阪桐蔭)、中村奨成(広陵、現広島)、西巻賢二(仙台育英・現楽天)、清宮幸太郎(早実・現日本ハム)、安田尚憲(履正社・現ロッテ)、小園海斗(報徳学園・現広島)、藤原恭大(大阪桐蔭・現ロッテ)らがいた。

 日本はU-18では一度も優勝していない。近年、日本以外のU-18の野球では木製バットや低反発金属バットを使用しているが、日本の高校野球は高反発の金属バット。使い慣れないバットに持ち変えることのギャップがこの大会で出るといわれている。

 韓国で行われるこの大会には星稜の奥川恭伸、大船渡の佐々木朗希と、超高校級の投手も出場する。今回采配を執る報徳学園元監督の永田裕治監督は、日本を初の世界一へと導くことができるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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