【U-18W杯】侍J監督の奥川への配慮「感覚を…」 サプライズ代打は得意タクト

侍ジャパンU-18代表・永田裕治監督【写真:荒川祐史】
侍ジャパンU-18代表・永田裕治監督【写真:荒川祐史】

奥川の大会初出場は代打、「冗談かと思った」とサプライズ代打で投手強襲内野安打

■日本 19-0 南アフリカ(31日・機張)

 韓国・機張(きじゃん)で行われている「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)は31日、大会2日目を迎え、侍ジャパン高校代表は19-0の6回コールド勝ちで南アフリカを下した。この日は調整を続ける奥川恭伸投手が代打で登場するサプライズも。そこには永田裕治監督が見せた“配慮”があった。

 今大会初出場となった奥川が向かった先はマウンドではなく打席だった。6回の先頭で代打で登場し「冗談かと思った」と驚きを見せつつも投手強襲内野安打を放ち「やっぱり試合に出れば楽しいし、また出たいと思った」と、久しぶりの実戦に笑顔を見せていた。

 永田監督は事前に知らせていなかった“サプライズ代打”の意図をこう説明した。

「試合に入らせるため。感覚を取り戻してほしかった」

 夏の甲子園での疲労を取るため、ここまでキャッチボールなどはこなしてきたが本格的な投球練習を控えていた奥川。日の丸を背負い、周囲からの期待も大きい右腕は「気持ちを忘れかけていた」と実戦から遠ざかっていた自身の思いを口にしていた。

 奥川に一番期待するのが“ピッチング”なのは誰もが思うところ。体と相談し「投げたい」思いを胸にしまい投球再開に向け一歩ずつ調整を続ける右腕に指揮官が見せた“配慮”だった。

 報徳学園で指揮を執っていた時にも“サプライズ代打”は何度も見せていた。チームの士気を高め、控え選手でもチーム一丸となって試合に挑む――。準備の大切を教える意図もあり永田監督が得意とするタクトだった。

 次戦は強豪・米国戦。奥川、佐々木が起用できない状況の中、総力戦で挑むことになる。優勝候補相手に永田監督がどのような采配を見せるのか、注目が集まる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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