マー君の名前も! メジャーFA市場の鍵を握る男たち
今オフのマーケットの中心となる選手たち
今オフはこの5人の行き先に注目だ。米全国紙USAトゥデーは「FA市場を変えることが出来る選手たち」と題した特集記事を掲載。5人の選手の名前を挙げた。最初に取り上げられているのは、FAではないが、トレードの可能性が高まっているレイズのデビッド・プライス。メジャー挑戦が確実な田中将大の名前も登場している。
プライスは、エバン・ロンゴリアと並ぶチームの顔だ。昨年はサイ・ヤング賞に輝き、FAになるまでは2年を残す。「したがって、機は熟している」というのが同紙の見解だ。レイズは、同じピッチャーのマット・ガーザやジェームズ・シールズに対して過去やってきたのと同様の手法を、プライスにも考えているというのだ。
レイズは昨年、シールズとのトレードでロイヤルズから若手外野手のウィル・マイヤーズを獲得。今季は大活躍でプレーオフ進出に貢献した。レイズはこの手の商売が上手い。しかも、チームにはクリス・アーチャー、ジェイク・オドリッジといった有望な投手が育っている。
実際にドジャース、レンジャーズといったチームがプライスの獲得に乗り出しているが、同紙はトレードの交渉相手としてカージナルス以上に適したチームはないとしている。カージナルスは、もしプライスとのトレードが可能なら「(交換要員は)マイケル・ワカ以外なら誰でも」とする可能性が高く、ポストシーズンで大活躍した右腕以外のすべての選手を差し出す用意があると見られている。
2番目に登場するのは、カーティス・グランダーソン。4日には、ヤンキースからクオリファイング・オファーを受けた。これで、グランダーソンが他球団と契約した場合は、獲得球団からヤンキースにドラフト指名権が渡ることになる。すでに、ラファエル・ソリアーノ、ブレッド・ガードナー、イチロー、バーノン・ウェルズと契約を残す外野手が4人もいて、カルロス・ベルトランの獲得も噂される。ヤンキースとしては選手の総年俸を減らしたいところで、グランダーソンの決断がチームの編成に与える影響は大きい。
市場全体の流れを見て選手の去就を予想
3番目に名前が挙がったのは秋信守。市場の中では最高の野手とは言えないが、その動向が大きな影響を与える可能性があるという。今季20本塁打を放ったパワーに加え、出塁率4割2分3厘と好成績を残した。最大のポイントは、同じ外野手でレッドソックスからFAとなったジャコビー・エルズベリーと同様、スコット・ボラスを代理人としているところ。ボラスが秋信守の契約を優先した場合、エルズべリーの去就が決まるのも遅くなり、市場全体に影響が出るというのだ。
そして、次に紹介されているのが田中だ。ポスティング・システム(入札制度)を利用してのメジャー挑戦を表明すれば、市場の動きが大きく変わることは間違いない。FAで獲得可能な選手の中では、今オフのトップに位置するとされている。落札額がダルビッシュ有を上回って史上最高額になることや、強烈なスプリットを持った投手であることが紹介されている。また、日本シリーズ第6戦で今季初黒星を喫したが、第7戦でリリーフ登板して日本一に貢献したことにも言及。ただ、新たなポスティング・システムの内容が未だに決まっていないことにも触れられている。
最後はレンジャーズをFAとなったクローザーのジョー・ネイサン。今季43セーブを上げ、自己最高の防御率1・39を記録した右腕は、今月中に39歳になる。今オフには、グラント・バルフォア、クリス・ペレス、フェルナンド・ロドニー、ホアキン・ベノアと抑え投手があふれ返っている。守護神を求めている球団は多く、ネイサンがどのような契約をどの球団と結ぶかで、市場の動きが変わってくるというのだ。
仮にドジャースやレンジャーズがプライスの獲得に成功した場合は、田中への入札を見送る可能性もあるかもしれない。市場全体の流れを見て選手の去就を予想するのも、オフの楽しみの1つだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count