スカッグス投手の急死が引き金に MLBがオピオイド検査導入を検討
処方鎮痛剤に含まれる医療用麻薬「オピオイド」乱用が社会問題に
エンゼルスのタイラー・スカッグス投手が7月1日に医療用麻薬オピオイド系薬物やアルコールなどの摂取後に嘔吐物で窒息死したことを受け、MLB機構と選手会がオピオイドの検査を行うか議論することになった。「ロサンゼルス・タイムズ」などが報じた。
MLBでは現在、オピオイドの検査を選手に行っていない。一方、選手会のないマイナーリーグでは、マイナーリーグ機構が、オピオイド検査を選手に行う権限を保持している。過去5年間で7万5000万件の検査が行われ、そのうち陽性になったのは10件ほどだった。
MLB副コミッショナーのダン・ハーレム氏は「野球でオピオイドの使用が問題になっていると報告は特に受けていない」としたうえで、オピオイド乱用増加が社会問題になっているため「選手を守るために行動を起こす機会を与えられたと考えている」と語った。
MLB選手会のトニー・クラーク専務理事は「仲間の死やこの国全体で起こっていることなどを考慮して、薬物についての教育、治療、予防に関する全てを再考することが適切で重要だと考えている」と声明を出した。
MLBと選手会は、選手がオピオイド検査で陽性になった場合の対応策は現時点では不明としている。マイナーリーグでは、陽性の選手に対して、初めての場合は治療プログラムを受けさせ、2度目以上の場合は出場停止処分になる。
(Full-Count編集部)