争奪戦は最大15球団に拡大!? マー君の移籍先を占う
米メディアが本命と挙げるヤンキースと対抗馬ドジャース
マー君が最もフィットする球団はどこだろうか。来季、メジャー挑戦が確実とされる楽天の田中将大(25)の争奪戦は激化する一方だ。ポスティング・システム(入札制度)の移籍となれば、史上最高額の6000万ドル(約59億円)以上の値が付くとされており、メジャー球団も準備を進めている。獲得を狙うのは15チームにのぼるとの報道も出ているほどだ。
米メディアが本命として挙げるのは、5年ぶりにプレーオフ進出を逃したヤンキースだ。チーム状況を見ると、田中獲得に全力を注ぐ理由は明らか。先発投手の不足は深刻で、来季、確実に戦力となるのは、CC・サバシア、イバン・ノバの2人だけとなっている。アンディ・ペティットは引退し、FAとなった黒田博樹とも再契約に至るかは微妙。しかも、サバシアは衰えが目立っており、かつての姿を取り戻せるかは分からない。
今季は、ジーター、Aロッド、グランダーソン、テシェーラが離脱する時期が多く、集客も伸びなかった。新たなスターの誕生は必要不可欠だ。米メディアでは「最も熱心なのはヤンキース」としており、スカウトも日本まで足繁く通って視察を行っていた。仮に獲得できなかった場合、名門球団のプライドが大きく失墜する可能性もあるほど、ヤンキースの田中獲得報道は過熱している。取り逃がす可能性は極めて低いと見られているが、果たしてどうか。
対抗馬はドジャースだろう。昨年5月のオーナーグループ交代と、来年2月から始まるタイム・ワーナー・グループとの巨額の放映権契約があり、“金満球団”に大変身した。今や、資金力はメジャーNO1と言われる。チーム関係者は「取りにいくと決めれば必ず獲得する」と、マネーゲームの勝負に自信をのぞかせているようだ。
先発陣では、クレイトン・カーショー、ザック・グリンキー、柳賢振が3本柱を形成するが、その後に続く投手は不安定。かつてのレッドソックスのエースで怪我から復帰予定のジョシュ・ベケットや、今季中盤から活躍しながらFAとなるリッキー・ノラスコは、たとえ残留したとしてもチームは当てにできないと踏んでいる。今季はリーグ優勝決定シリーズでカージナルスに敗れ、25年ぶりのワールドシリーズ進出に失敗。そこでも第4戦にノラスコが先発して敗れたことが大きく響いている。チーム内では「先発の駒が足りなかった」との声が出ており、貪欲に補強に動くだろう。