西武メヒア、“お得意様”撃ちの劇的V弾にも困惑? 「自分でもわからないよ」
辻監督も満を持しての代打「とっておきだよ。松井にはメヒア」
■西武 5-3 楽天(20日・メットライフ)
西武のエルネスト・メヒア内野手が20日の楽天戦(メットライフ)で同点で迎えた9回1死一塁の場面で代打で登場。楽天のクローザー・松井から左越え6号2ランを放ち、チームを劇的なサヨナラ勝利に導いた。
松井が投じた148キロ直球を弾き返した打球が、高く舞い上がって左翼フェンスの向こう側に飛び込んだ。あまりにも劇的な決着だった。メヒアは三塁を回ったところでヘルメットを脱ぎ捨て、ホームで待つナインの元に勢いよく飛び込むと、ウォーターシャワーで祝福された。
メヒアの対松井は4打数3安打と好相性。しかも、その3安打が全て本塁打。この日は同点で迎えた9回無死一塁から、ピンチバンターの熊代がまさかのスリーバント失敗。だが、送りバントに成功し1死二塁を演出していたとしても、相性を考慮してメヒアが敬遠されていたかもしれないだけに、それさえもツキだった。
辻監督は「とっておきだよ。松井にはメヒア」と満を持して代打・メヒアをコール。指揮官の期待に最高の結果で応えたメヒアは「(松井は)打ちやすいことはない。彼にとってはハードラックかもしれない。彼はいいピッチャーだ」と話し、相性のよさについて問われると「なんで打てているのか、自分でもわからないよ」と不思議な縁に苦笑いを浮かべていた。バントを失敗した熊代も、「本当に“メヒアサマサマ”。(犠打失敗は)自分を戒めて、頑張らないと」とメヒアに感謝し、抱き合って喜んだ。
メヒアの劇的な代打V弾でチームの優勝マジックは「4」。最短で22日にも指揮官が2年連続で歓喜の宙に舞う。メヒアは「自分の役割は分かっている。でも、重圧を感じている時間もない」と言葉に力を込めた。最大8.5ゲーム差から大逆転Vへ。いよいよ優勝の2文字の輪郭をはっきり捉え始めた。