「由伸2世」も…屈辱の“指名漏れ”から這い上がる2017年ドラフト候補たち

「上位指名間違いなし」がまさか…屈辱から2年、JX-ENEOS谷田成吾の再挑戦

 2017年を迎え、新たなスタートを切ったアマチュア球界。今年も早実・清宮幸太郎らを筆頭にプロ注目選手がズラリとそろうが、とりわけ強い思いを持っているのが、一度は破れたプロの夢舞台に再挑戦する社会人選手たちだ。

 ドラフト指名を受けるために高校、大学生に提出が義務付けられているプロ志望届。夢を込めた一枚の用紙を、かつて提出しながら指名漏れを味わい、それでも上のカテゴリーに進んで腕を磨いて成長した選手がいる。社会人では2年目から指名解禁となるが、その筆頭格はJX-ENEOSの谷田成吾外野手だろう。

「由伸2世」。こう言えば、思い出すファンもいるかもしれない。慶応高で通算76発を放ち、左打ちのイケメンスラッガーとして、慶大出身の巨人・高橋由伸(現監督)と重ね合わせ、一躍、メディアの注目の的となった。慶大では東京六大学リーグ通算15本塁打をマーク。高校、大学ともに日本代表を経験し、大学4年秋のドラフトでは「上位指名は間違いなし」と騒がれたが、まさかの指名漏れを味わった。

 東大戦以外での成績面が物足りなかったこと、左打ち外野手が球界で飽和状態であることなど、後付けのような理由が挙げられた。それでも「由伸2世」と呼ばれ続けた男は「自分の実力が足りなかったということ。そう呼ばれることにふさわしい選手になりたい」と涙することなく、社会人野球の強豪・JX-ENEOSで飛躍を誓った。

 入社1年目の昨年はルーキーながら4番を務め、日本選手権出場に貢献。1回戦敗退に終わったが、確実性のある打撃を身に着け、今年の活躍次第では指名解禁となる秋のドラフトでも上位指名の可能性は十分にあるだろう。慶大時代の同級生だった山本泰寛(現巨人)、横尾俊建(現日本ハム)に負けじとプロの夢舞台を追う。

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