165キロ大谷に肉薄 ホークス和田の“遅くて速い直球”がスゴイ
140キロでも空振り率は150キロ剛腕抑えてパ規定投球回トップ
5シーズンぶりに日本球界に復帰し、昨季15勝で最多勝を獲得したソフトバンク・和田毅。12年の左肘のトミー・ジョン手術を乗り越えた左腕は35歳を迎えてなお、衰えを見せることがない。そんなベテランについて興味深いデータがある。
それは「パ・リーグTV」が集計した「パ・リーグ投手の球種別空振り率」のデータ。規定投球回に到達した投手で、和田はストレートの空振り率が1位にランクしている。総投球数は2600球でストレートは1366球。うち146球が空振りで、空振り率は10.7%にあたる。
この数字、驚異的と言っていいだろう。和田のストレートといえば、常時140キロ前後で130キロ台を計測することもある。規定投球回に3イニング届かなかった日本最速165キロの日本ハム・大谷は11.2%だから、わずか0.5%しか変わらない。
さらに、続く西武・菊池(7.7%)、楽天・則本(7.4%)と150キロ超の剛球を操る投手が続くが、3%以上の差をつけている。決して速くない球速で、速球派を上回る空振り率を誇る和田の数値は、ひときわ異彩を放っている。
なぜ、和田は140キロでも空振りが取れるのか。チェンジアップやカーブなど多彩な変化球で緩急をつけることもあるが、一番は投球フォームだろう。