育成手腕に長けた広島入団は幸運!? 無限の可能性感じさせるドラ5アドゥワ

甲子園では187球の熱投、「伊予のダルビッシュ」が秘めるポテンシャル

 潜在能力は昨季ドラフトで入団した全選手の中でも屈指ではないか。広島のドラフト5位ルーキー、アドゥワ誠(松山聖陵)は無限の可能性を感じさせる逸材だ。

 196センチ、80キロの長身から投げ下ろす直球は最速145キロ。昨夏はエースとして松山聖陵(愛媛)を初の甲子園に導いた。1回戦で北海(南北海道)を相手に187球の熱投を見せたが、サヨナラ負け。「伊予のダルビッシュ」と呼ばれ、当時から話題を集めた。

 ナイジェリア人の父と、バレーボールの実業団選手だった母を持ち、身体能力は折り紙つき。196センチはダルビッシュと同じ身長で、本人もあこがれる存在のようだ。

 12月の新入団会見では「手足が長いので、角度を活かしたピッチングが自分のスタイルだと思う。角度がある分、チェンジアップと真っ直ぐのコンビネーションで相手を打たせていくタイプ」と自身を分析。将来は黒田博樹投手のようになりたいと大きな目標を掲げ、大谷翔平との対戦にも意欲を見せていた。

 まだまだ体はできていない。まずはじっくりとファームで体作りから始めることになる。素材型の高校生はなかなか大成しないとも言われるが、やはりその将来性は大きな魅力だ。育成手腕に長けた広島に入ったのは、アドゥワにとって間違いなく幸運なこと。5年後、10年後、大成した姿をファンも待ち望んでいる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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