2戦連続完璧救援の前田健太、捕手との呼吸ばっちり「完全に一致」
最初の打者は4球連続スライダー、次打者は150キロ直球で料理
■ドジャース 10-4 ナショナルズ(地区シリーズ・日本時間7日・ワシントン)
ドジャースの前田健太投手が6日(日本時間7日)、敵地で行われたナショナルズとの地区シリーズ第3戦に5番手で救援登板。打者2人を5球で封じてリーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかける勝利に貢献。前回3日(同4日)の登板から7連続アウトを奪う完璧な投球でチームに勢いを与えている。
4点をリードした終盤8回に出番が回った。1死走者なしで右打席に迎えた5番ヘンドリックスと対峙。マーティン捕手の要求に従い、4球続けたスライダーで右飛に仕留めた。
危険をはらむ同球種の連投も深読みすることなく頷いた。
「スライダーで前回打ち取ってますし。ちょっとバッター優位に(カウントが)進んでしまったので。スライダーという選択になったかもしれないですね」
前回登板で費やした19球のうち11球を投げたスライダーは、その9球がストライク。ストライク率の高い球種で一気に攻めた。もっとも、最後の4球目は相手の目線を変える内角へ投げ込む工夫をこらしてリスクを回避。
そして次打者ゴームズを迎えたところで、まさに捕手との阿吽の呼吸が生まれた。
「(前の打者に)4球続けたんで、多分スライダーを待っているだろうなっていうのは僕の頭の中にもあったので。初球ストレートでいこうかなって思ったらサインが出たんで。そこはもう完全に一致して」
初球の内角150キロの直球で一邪飛に打ち取った。ゴームズのスイングは読み違えた気持ちが伝わるかのような鈍いものだった。
前田は、前回登板で組んだ若手のスミスとも息を合わせる。
「こういうバッターにはこういうふうな配球をするっていうのはある程度プランがあるので。まあ、(リードは)皆いいと思います」
リーグ優勝決定シリーズ進出まであと1勝。捕手の意図を汲み、自分の意志をボールに伝える投球で右腕は一気呵成の勢いに乗じる。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)