西武が痛恨の連敗、巻き返しに必要なものとは? 辻監督は打線を評価「粘りが出てきた」
4打席凡退だった秋山は8回に意地のタイムリーを放つ「取り返すし、やり返す」
■ソフトバンク 8-6 西武(CS・10日・メットライフ)
西武が10日、ソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦に8-6で敗れ、痛恨の2連敗を喫した。
先発・今井が3回途中6失点と崩れ、4回までに7点を失う苦しい展開となったが、4回に外崎のシリーズ1号となる左越えソロで反撃。5回には中村の適時二塁打などで3点を奪い、一気に3点差に詰め寄った。6回にグラシアルのソロアーチで1点を追加されたが、7回に中村の遊ゴロの間に1点、8回にはこの日3三振だった秋山に右前適時打が飛び出し、終盤で2点までその差を縮めた。しかし9回は好機を作りながらもソフトバンクの守護神・森の前に無得点に終わり、8-6で敗れた。
敗れはしたが、辻監督は「打線に粘りが出てきた」と2桁安打を放った打線の状態を上向きと捉えている。9日の第1戦ではいずれも無失点に抑えられていた甲斐野、モイネロからこの日は1点ずつ奪い、さらに守護神・森を8回2死の場面で引きずり出した。
8回、2死二塁から右前適時打を放った秋山は、これが今シリーズ初打点。秋山はこの日3回、5回、6回と走者を置いて迎えた打席で凡退していただけに、「早めに(適時打が)出ていたら展開も変わっていたと思う。明日(11日)以降に取り返すし、やり返す」と言葉に力を込めた。
秋山の適時打もあり2点差と詰め寄った西武。9回2死一塁と一発出れば同点の場面で山川が打席に立つと、詰めかけた西武ファンの声援が地鳴りのようにグラウンドに響いた。しかし打球は遊ゴロに。好機を逸した山川は「(声援に)応えたかった」と悔しそうに唇を噛んだ。3回に反撃の狼煙となるソロを放った外崎は「勝たなきゃいけない。諦めずにやるだけ。あともう1歩まで来ている」と悔しさをかみ殺した。覚醒しつつある西武打線が、王手をかけようとする鷹に待ったをかける。
(安藤かなみ / Kanami Ando)