「野球賭博で約109億円を失った」 永久追放されたMLB最多4256安打ローズ氏が衝撃告白
3度の首位打者、リーグMVP、ワールドシリーズMVPも手にした大スターが1989年に永久追放処分
メジャー最多の通算4256安打を記録する一方で、シンシナティ・レッズの監督在任中に野球賭博に関わったとしてMLBを永久追放されたピート・ローズ氏がポッドキャスト番組「ノーフィルター・スポーツ」のインタビューに応じ、野球賭博でレッズに賭けて1億ドル(約109億円)を失ったと激白した。地元紙「シンシナティ・エンクワイアラー」が伝えている。
同紙は「ピート・ローズ:シンシナティ・レッズに賭けて1億ドル(約109憶円)を失った。野球は、十分に僕を罰した」というセンセーショナルなタイトルでローズ氏のインタビューを伝えた。番組のホストで、1970年に賭博行為への関与のために出場停止処分を受けたデニー・マクレイン氏から「スポーツ賭博を合法化する流れが野球殿堂入りの可能性を高めるか」との質問を受け、ローズ氏は自戒を込めながらこう答えたという。
「僕は(殿堂入りできないことに)憤慨してはいない。自分が失敗したのだから一生苦しむことは仕方ない。1980年代に自分のチームの勝利に賭けたが、100ミリオンダラー(約109憶円)ほど失った。僕への罰が足りないという人は全然分かってない。『規則を破れば、その行動から起こる結果に苦しむことになる』ということの、僕がパーフェクトな例だよ」。
さらにこう続けた。「僕は死ぬまで野球殿堂入りすることはない。それは仕方ない。僕が間違ったんだからね。野球界は、賭博を薬物や配偶者への暴力などとは異なった目で見ている」。78歳になったローズ氏は、野球人にとって最大の栄誉ともいえる野球殿堂入りを諦めている発言を繰り返した。
ただ、一方で“恨み節”も。「僕は間違ったコミッショナーに縛られてしまった。バート・ジアマッティ(ローズ氏を永久追放処分とした7代目MLBコミッショナー)はいい奴だった。彼は自分がしないといけないことをしただけ。その後のコミッショナーはそれを変えることはしない。他のコミッショナーの決断に横やりを入れたりはしない。それが僕が今いる状況さ」と処分には今でも不満を持っていることを明らかにした。
そして再び後悔の気持ちを明かした。「僕は毎晩自分のチームの勝利に賭けていた。それほど自信があったんだ。だけど僕は間違っていた。毎晩ルールに沿って試合に勝とうと必死だった。それが監督というもの。僕は間違っていたよ。そうしなければ良かったと思うけど、でもそうしてしまった」と当時を振り返った。
記事では、現在のMLBコミッショナー、ロブ・ マンフレッド氏は昨年、スポーツ賭博が合法になったとしてもローズ氏に対しての考えに変化はないと明らかにしたと指摘している。
一方で、最近引退したレッズの有名なラジオパーソナリティのマーティ・ブレンナマン氏は、「野球殿堂は、ローズが入るまで何かが欠けている」「僕が恐れていることは、ローズが野球殿堂入りができたとき、彼がもうこの世にいないということだ」と語ったことも紹介している。
ローズ氏はレッズ、フィリーズなどで活躍。レッズ在籍時には「ビッグレッドマシン」の一翼を担い、歴代1位の通算4256安打をマーク。首位打者3度、1973年にナ・リーグMVP、75年にワールドシリーズMVPを受賞するなど輝かしい実績を残した。1984年にレッズの選手兼任監督に就任(86年に現役引退)、89年に野球賭博に関与していたことが発覚し、永久追放処分を受けた。
(Full-Count編集部)