レッドソックスと上原浩治の契約延長交渉はいまだ進展せず!? 地元紙が報じる
守護神との契約延長を望んでいるレッドソックスだが……
レッドソックスの上原浩治投手は今季限りでチームと契約満了となるが、レッドソックス側との契約延長が進展していないと地元紙ボストン・グローブが報じている。
移籍特集の記事では、「上原のボストン残留に関する事前交渉は行われているが、クラブと選手は交渉成立に近づいていない。ソックスは年俸1530万ドル(約16億2000万円)のクオリファイング・オファーでの延長ではなく、オプションを付けた条項を盛り込むことを望んでいるようだ」と報じている。
昨年のワールドシリーズ優勝に貢献した上原は今季64試合に登板。6勝5敗26セーブ、防御率2・52と、ア・リーグ東地区最下位に沈んだ名門で奮闘した。だが、8月下旬から9月上旬にかけた6試合の登板で、宝刀のスプリットのキレの悪さから自責点11という“らしからぬ”乱調に陥った。
ここでレッドソックス側は微妙に態度を変えた可能性も否定できない。一時は上原にクオリファイング・オファーを出すと地元メディアは報じていた。ただ、2012年に導入された同制度で、オファーを受け入れた選手はこれまでに1人もいない。選手会が反発している制度でもあるとされており、上原も拒否することが濃厚だ。
これまでクオリファイング・オファーを拒否して、より低い年俸で他球団と契約した選手もいる。ただ、レッドソックスが上原の残留を基本線としている場合、1530万ドルを拒否されれば、より高い額でのオファーを出す必要が出てくる。つまり、上原の年俸を少しでも抑えたいと考えている可能性は高い。
世界一に輝いた昨年からの活躍を考えれば、最強守護神が高額年俸を受け取る権利は十分にある。現時点では、両者の間に溝が生まれているのかもしれない。
ベン・チェリントンGMとジョン・ファレル監督はシーズン終了後の総括会見でも上原の残留を熱望していた。ただ、金銭闘争は辞さず、というのが現状なのだろうか。
記事では「来年40歳で迎える上原だが、今年終盤の不調にも関わらず(他球団から)声はかかるだろう」とも指摘されている。
ワールドシリーズを戦うロイヤルズはグレッグ・ホランド投手、ジャイアンツもサンティアゴ・カシーヤ投手という絶対的な守護神が活躍。ブルペンの強さが両軍躍進の要因となっているだけに、絶対守護神上原の他球団からの評価もさらなる高まりを見せるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count