権利行使なら大争奪戦に? 今オフFA市場の“お宝”鷹福田の動向に注目

ソフトバンク・福田秀平【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・福田秀平【写真:藤浦一都】

今季は80試合183打席で9本塁打、400打席に換算すれば19本塁打

 ソフトバンクが3年連続の日本一に輝いて幕を閉じた2019年の日本シリーズ。19日にヤフオクドームで開幕した巨人との頂上決戦は史上6度目となる第1戦からの4連勝で幕を閉じた。クライマックスシリーズ1stステージ第2戦から怒涛のポストシーズ10連勝で一気に頂点へと駆け上がった。

 日本シリーズも終わり、プロ野球界はここからストーブリーグに突入する。24日には今年度のFA権の行使期間がスタート。初日に行使を表明した選手はいなかったが、今オフは広島の野村や菊池涼、西武の十亀、ロッテの鈴木や益田、楽天の美馬ら、行使するか否かが注目されている。

 その中で権利を行使すれば争奪戦に発展しそうなのが、今季国内FA権を取得したソフトバンクの福田秀平外野手だ。3年連続日本一に輝いたソフトバンクで不可欠な控えの外野手。走攻守で高いレベルを誇り、やや怪我が多いものの、他球団ならレギュラークラスとも言われる実力を持つ。
 
 高額年俸者が揃うソフトバンクにあって年俸は3600万円。補償のいらないCランクということもあり、他球団にとっては格好の補強候補になっている。関係者によれば、水面下でヤクルトや中日、楽天など複数球団が調査を行なっているとされ、その動向に目を光らせているという。

 また、その福田に注目しているのは国内他球団だけではない。米メジャー関係者によると、MLBの複数球団も福田のポテンシャルを高く評価し、関心を持っているのだという。

 今季は脇腹の怪我もあって80試合の出場にとどまった福田。その一方で、巨人・菅野から交流戦で先頭打者本塁打を放つなど、自身最多となる9本塁打を放った。打席数は183、打数は166。レギュラー並みに400打席に立っていれば単純計算で19本塁打、レギュラーの証である500打席以上となると24本塁打のペースだった。

 また、本塁打を打った投手をメジャースカウトは重視。楽天の岸やロッテの涌井、種市、昨季であれば楽天・岸、2017年には大谷翔平(現エンゼルス)や当時オリックスの西勇輝(現阪神)と、各球団の主力投手を打ち“エースキラー”と称された勝負強さも認めている。

 当然、武器である走力、俊敏性もその1つだ。福田の一塁への到達タイムは平均で3.9秒。メジャーでは4秒を切る選手が“エリートクラス”と言われており、福田はこれをコンマ1秒上回り、球界を代表するリードオフマンをも凌駕していると指摘している。

 さらには182センチの高身長に、顔の小ささも相まってスタイルが素晴らしい。そのMLBスカウトも「顔の小ささ、首の長さから、野球に必要な肩から下のサイズだと185センチを上回るクラスの選手」とその体型の良さを称賛していたという。

 メジャーも関心を寄せるほど、高いポテンシャルを誇る福田。決して全国的に名前が知れ渡った選手ではない。それでも今オフのFA市場をにぎわせる存在にになっていくかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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