西武秋山、海外FA行使を決断した胸中 侍J合宿中の表明となった背景は?
周囲への配慮から沖縄合宿2日目の表明に「試合に差し支えない場所を選んだ」
西武の秋山翔吾外野手が29日、海外FA権を行使してメジャーリーグ挑戦を目指すことを表明した。「第2回 WBSCプレミア12」に臨む野球日本代表「侍ジャパン」の2次合宿地の沖縄・那覇市内で正式に「昨日海外FA権の行使を球団に伝え、申請書類を提出させていただきましたことをご報告させていただきます」と、メジャー挑戦の意向を示した。
今季途中に海外FA権を取得した秋山。2016年から結んだ3年契約は昨季が最終年で、オフには球団から新たな複数年契約を提示されたが、これを固辞。海外FA権の取得を視野に入れ、単年契約を結んでいた。権利の行使を決めた理由として「国際大会を経験させてもらったり、侍ジャパンとかで高いレベルのメンバーとやっていくうちに、自分の力がどれくらいメジャーという厳しい世界でやれるか知りたい、その場所で活躍したいという思いが強くなった」と明かした。
2015年にはプロ野球記録となるシーズン216安打を放った。日本球界屈指の安打製造機として名を馳せるが、希望球団や地域を問われると「選べるくらい自信があればいいですけれど、どのくらいの球団が声をかけてくれるか分からない。試合に出られるかどうかという方が重要。まずは必要としてくれる球団から話があったら、そこをまず聞いていってということになります」と不安な胸中も覗かせる。
決してホームランバッターではないだけに「ホームランバッターが9人いるチームが勝つとは限らない。自分のやれることは限られている。特色を残していかないと残れない世界。日本でもパカパカホームランを打つバッターではないのは分かっているので、そういう中でこういうタイプの選手を必要としてくれる球団があるならありがたい」とも語った。
侍ジャパンの合宿中での行使表明には、秋山なりの配慮があった。日本シリーズ終了翌日の24日から申請が始まっていたが、侍ジャパンの練習試合などがあった。「後から合流したメンバーも昨日が初日ということで、そこで少し落ち着いたところ、試合に差し支えない場所を選んだ」と、このタイミングでのスケジューリングとなった。
一区切りの時を迎え、ここからは世界一を目指す戦いに集中する。「稲葉監督に話させていただいて、それでもチームに必要だと言ってもらったことに意義を感じて来させてもらった。自分のやることを尽くして、このメンバーで世界一を目指すというのがある」。メジャー挑戦の前に、侍ジャパンとして「プレミア12」の頂点を奪いに行く。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)