秋山監督 日本シリーズ初登板初勝利の武田に「度胸ある」

「SMBC日本シリーズ第2戦」 阪神1-2ソフトバンク(甲子園)

 最後まで気の抜けない戦いだった。ソフトバンクが2-1でリードし迎えた9回裏。抑えのサファテがマウンドへ上がった。しかし、先頭の鳥谷が初球の直球を狙いすまし、レフト前へヒット。同点の走者が出た。

 秋山監督は「ハラハラ、ドキドキしてました。でもサファテを信じてなんとか抑えてくれと思っていた」と勝利監督インタビューで胸の内を明かした。9回表は流れを引き寄せるような阪神4番手の松田の力投があった。簡単には終わらないという予感はあった。粘る阪神に苦しんだが、最後は守護神を信じた。力のあるボールでゴメス、マートン、福留という強力な中軸を封じ、試合を締めた。

 何といっても、武田の好投が素晴らしかった。6回途中まで緩急自在の投球で走者を一人も出さない投球。指揮官も「先発の武田がどこまで自分のピッチングができるかと期待していた。立ち上がりから自分の形で入れたのが大きかった」と相手に流れを渡さなかった若武者をほめた。

 インタビュー中、ベンチではその武田が座っていた。阪神ファンの応援が響く甲子園。初の日本シリーズでも堂々としたマウンドに「(武田は)度胸があると思います」。ヒットを打たれても、ピンチを背負っても物おじしないどころか笑顔を見せた右腕が、指揮官の目には頼もしく映っていた。

 6回に失点し、7回にも同点のピンチを招いたが「任せるしかないんでね。抑えてくれてよかった。甲子園のファンの声援はすごいのでね、その中で自分のピッチングできて大変素晴らしかったと思います」と喜んだ。

 初戦を落としたが、きっちりと2戦目を取り、第3戦から舞台を本拠地の福岡ヤフオクドームに移す。秋山監督は「自分らの野球ができればいい。勝ちにこだわていきたい」と力強く締めくくった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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