7回3安打1失点の好投 日本シリーズ初勝利で光ったソフトバンク武田の「笑顔」
敵地の重圧も「逆に楽しもうと思ってました」
ソフトバンクに今シリーズ初勝利をもたらしたのは21歳の高卒3年目右腕の武田翔太だった。7回を投げ、3安打1失点。日本シリーズ初登板で初勝利をマークした。
2011年ドラフト1位で宮崎日大高校から入団。高校時代、春夏を通じて甲子園の出場はない。プロの公式戦でもないため、これが夢の聖地初マウンドになった。「緊張しました。阪神のファンの応援に若干、押されましたけど、いいピッチングできました」とお立ち台では笑顔の花が咲いた。
6回2死まで走者を一人も出さない投球。しかし、代打の狩野に低めのスライダーをうまく拾われた。「ヒットを打たれた時に『あ、そうか(ノーヒットノーランだったか)と。あんまり気にしていなかったです」。ノーヒットノーランが頭にちらついてはいなかった。
その後、西岡にライト線へタイムリー。点差が1点になり、阪神ファンの声援も俄然、大きくなってきた。それでも「逆に楽しもうと思ってました。やっぱり、(点を取られて)悔しいなと。でも、笑顔でいた方がいいかなと思いました」。自分が落胆しては、チームにいい影響は与えないと、ここでも、ふと笑顔を見せた。そして気持ちを切り替えて、最後まで集中して投げ続けた。